#34 ページ35
ㅤ
すぐに、エレベーターがやっと来て乗り込む。
「7階ですよね？」
「そうだよ〜」
「さっきも言ったじゃん！」
「いや、お二人の前で間違えたら恥ずかしいやん」
「うーん、一理ある」
さとがあはは、とわらってボタンの前に立ち7階を押す。
それにしてもお二人っていう言葉が笑いを誘う。
私の前で間違いとか。
お前英語の宿題でスペルミスしてるのを私がいちいち教えてたんやし今更すぎる。
それを顔に出さないように必死で抑えるので手一杯。
ゆっくりと上に登っていくガラス張りのエレベーター。
これ以上考えて笑ってしまうのは避けたいから、ガラス越しに外を見た。
奥に小さいスカイツリーが見える。
そういえば、あの上、行ったことないな。
目線に気づいたのか
「今度スカイツリー行く？」
なんて真冬が話しかけてきた。
「私、忙しくなるから、行くなら今週中ぐらいしか行けないけど。大丈夫？」
「僕は……まぁ多分1日くらいは空けれる筈」
「私もスケジュール見とくね」
莉犬くんが少し驚いた目で見ていた。
付き合っているのはどうせバレるから気付かないふり。
歌い手仲間の中ではこのことは周知の事実だ。
さとは当然知っているけど、カモフラージュかもしくは姉の恋模様が気になるのかチラチラ見てくる。
「あ、着きました」
その一声でぞろぞろとエレベーターから降り、打ち合わせ場所へと足を進める。
さっきのスカイツリーに行こうという話。
実現するなら最後になるだろうデート。
手を繋ぐのは、今日で最後じゃないかもしれないな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
野良神 - 凄いですね。面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 18時) (
レス) id: d6c3f54fc0 (このIDを非表示/違反報告)
桜瀬さわ@“自称”大天使さわさァん(プロフ) - あいらさん» ありがとうございます;;最近更新疎かになってるのにコメント貰えてとてもびっくりしてます!(一時期消すことも考えてました)その言葉でもうちょっと頑張る気が起きました!諸事情で次回の更新まで時間がかかるかもしれませんが続編に向かい頑張ります。 (2018年9月10日 19時) (レス) id: c9f142c710 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - 初コメ失礼致します！ 僕シリアス大好きでして…この作品大好きです！描写もとても好きです これからも頑張ってください！ (2018年9月10日 13時) (レス) id: 556c8a168b (このIDを非表示/違反報告)
桜瀬さわ@“自称”大天使さわさァん(プロフ) - りょうかさん» この作品、描写に力をいれてるのでとてもとても嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年1月8日 10時) (レス) id: c9f142c710 (このIDを非表示/違反報告)
りょうか - すごく描写がきれいに書けていて、すごいなと思いました！更新頑張ってください！ (2018年1月7日 6時) (レス) id: a812e7560b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜瀬さわ | 作成日時：2017年9月9日 9時
