恋の風は歌声とともに ② (ページ18)

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58.音程抜群ページ18

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「あ、これは…その、大学時代に交通事故に巻き込まれて腕を痛めたんです。漫画家っていう夢があったんですけど、これで諦めました」

章「そんなことがあったんや。それで、出版社で働いてるん？」

「はい。漫画家になりたい人たちを支えたくて」

章「まだ、痛む？」

「もう大丈夫です。練習します」

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あーぁ、話しちゃった

なんか、話さないといけない空気感があったから

「…セツナサヒラヒラ空から舞い降りる～君がいなくなってひとりぼっちの冬の夜～恋しい気持ちがこの声が届かなくても～もう一度会いたくて会いたくてまだ～サヨナラが言えない」

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章「…聴いてもないのに、音程抜群やな」

「なんとなくわかるの。絶対音感はないけど、こんな感じの音程じゃないかなーって」

章「凄いわ。歌は任せるとして、ギターはちゃんと練習せなアカンな！」

「いや、歌も頑張らないと。ここ、ラップ仕様になってる。これ、安田先生が作詞してませんよね？」

章「…ごめん！これ、大学時代の顧問の先生が作詞した曲やねん。すばるくんは知らんよ。俺が先生に頼んだ曲やねん」

「にしても、歌詞がリンクしてる気がする。その先生にお礼言っておいてね」

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すばるさんにサヨナラが言えないのは事実だもん