家族愛からの…/gr ページ8
「グルちゃーん！」
遠くの方で夕方を告げる鐘が鳴り響き、少し肌寒くなる。花壇ではコスモスが秋をっているかのように咲き誇っている。そこを高校生くらいだろうか、1人の少女がスーツ姿の男性に駆け寄る。
グ「ん？Aか」
「珍しいね、こんなに早いの」
グ「たまには俺も早く帰りたい日もあるわ」
「いつもは仕事が恋人みたいな事言ってるのに」
ニヤニヤしながら言うAの頭を軽く叩く男性。彼女たちは兄妹なのだろうか…
グ「それにしても、最近の高校生は遊んで帰ってくるんか？学校とっくに終わっとるやろ」
「ちゃうよ。来週文化祭あるから準備とかで遅いんよ」
グ「ほー」
「あ！一般公開くる？グルちゃん来るならサービスしちゃう☆」
グ「…どこでそんな言葉覚えてきた」
「この前遊びに来てた…大先生？が言ってたよ」
グ「(後で粛清やな)Aたちは何やるんだ？」
「お化け屋敷」
グ「お化け屋敷でどうサービスするやwww」
「驚きを人一倍に」
グ「面白そうやな。休み取って行ってやる」
「じょ、冗談やんか…グルちゃんが驚くようなことって言ったら、HoIでの奇襲くらいやろ」
グ「そうでもないぞ」
互いにやっているゲームの話をしながら帰路を歩く2人。周りはもう真っ暗になっている。
そんな会話から早くも1週間経ち、Aの学校が文化祭を迎えた。Aは休む暇なくお化け役として来場する人たちに恐怖を与え、遊びに来たグルッペンには違う意味で褒められた。
グ「学生の催し物のわりには本格的やなぁ」
「そう言いながら叫ばなかったんは誰やねん…」
グ「まだまだやなぁ」
「ムカつく…」
グ「A、ここに居るって事は休憩か？」
「グルちゃんにたかるために午前中は休み無しで頑張ったんですぅ」
グ「ほぅ」
制服のスカートにクラスTシャツに身を包むAとラフな格好の若い男性。普段であれば異様な光景ではあるが、本日は人で溢れかえる文化祭。同じような光景がチラホラと見える。
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