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無駄に構われると、好きになるからやめてくれ、なんて絶対に言えないし
それでも放置させておいたら、自分が辛くなって、どんどん潰れて
つらいなあ、なんて自暴自棄に言っても伝わらない
言うならば、カキ氷の様に
「甘いくせに、頭痛いんだけど」
「はぁ……？さっきから何言うてるん？」
「カキ氷食べたいねって話」
彼は首を傾げ、しばらく考えたあと、はっと顔を上げ
そうすれば、ふふふ、と言わんばかりに何かを考えついた悪戯っ子みたいな顔をして言う
「夏祭り行かへん？」
「そんなの、彼女と行けばいいじゃん」
「……あんな、」
「別れてんかー、彼女と」
へへっ、と笑って、彼は少しだけ声を震わせる
無理して笑っているのが丸わかりなのに、彼は笑って、私に言う
俯いて小さくごめん、と言っても、彼は「何が？」と気付かないフリをして笑った
「……理由は？」
「理由は特にないんやけど、なんか、無理やってん」
「あんなに綺麗で頭良くて、みんなの人気者で、そんなひとが？」
「せやからむりやねん、多分なー」
表立っては言えないものの、個人的には嬉しさもちょこっとあったりするから
今すぐ無条件にでも理解したフリをしたい気持ちは山々なんだけれど
嫌だけど、あいつのことなんて嫌いだけど
わかるような気がした
私にとってのしゃおくんも、そうだから
いつも友達と一緒に遊んで、楽しそうに笑って、不人気とか呼ばれてるらしいけど
全然そんなことなく愛されてて、恥ずかしいけど、私もそんなしゃおくんが大好きで
同年代の男の子になんて全然惹かれないのは、多分私が年上が好きだからで
そして、
いつもかっこよくって、
「しゃおくん」
「ん？どうした？」
「テストで良い点とったら、お祭り行こう」
「？別に取らんでも行こうよ」
「いーの、だからしゃおくんはいっぱい勉強教えて」
そうしたら、ちょっと黙ったあとに、彼はまたへへへ、と笑って
「おう！」
元気いっぱいに、答えた
「100点とったら浴衣？」
「じゃあしゃおくん甚平」
「うーん、まあ浴衣見れんねやったらええか」
心の冷えた少女と、笑顔の似合う彼の
暑苦しい夏の、ちょっぴり涼しい物語
……
こんにちは、咲姫(さき)、と申します
企画に参加させて頂くのは初めてな上に小説も初心者ですので
如何にか他の方について行ければなあと思います はい
よろしくお願いします
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