どうしようもなく好きなの【Kaito.N】

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「A、何やってんだよ！！」







本日二度目の如恵留の大声が撮影所に響き渡った。





「なんでよ！！」


「おまえ、ワイシャツちゃんと着ろよ！」


「みんなが裸なんだから、少なくとも肩は露出しないと！」


「チラリズムというのが、一番エ ロいの分かってんのか」


「言い掛かりはやめて」




今度の如恵留の言い分は、理不尽すぎて、
私の露出がセクシーすぎるということろにあった。


可能な限りコンセプトに近づけるように羞恥を堪えて挑戦して、胸が見えてしまわないギリギリのラインまで肩を出し、女性らしい肩甲骨を披露した。
くびれの辺りにワイシャツの緩んだ襟元が垂れ、その下を想像させるようなそれが、誘惑に見えたらしい。


自分を抱きしめるように交差した腕と、すこし流し目で気だるげな目線が、より一層の色気を増した。






「心配してくれて、ありがとう如恵留。」



「ほんっとばかなんだから。自分が女の子でみんなから大切にされてることくらい分かってよね」








後日、閑也が教えてくれたことだが、

不可抗力であったが、メンバーだけが知っている、Aのダンスで引き締まったセクシーな身体の線が世の中に出回ってしまうことがなんとも不愉快だったらしい。



どんな理由だよ。




Aの色気がいちばん発揮されている写真は、最も如恵留が反対した写真であった。

これをデカデカと雑誌で使われることになり、如恵留は大きな溜息と共に目頭を押さえていた。









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