どうしようもなく好きなの【Kaito.N】

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Genta side




Aは、三度の飯よりコーヒーが好きみたい。


しめと2人でカフェに買いに行く姿をしょっちゅう目
撃するけど、しめはいつも甘そうなやつを買ってきて、Aはブラックコーヒー。
逆でしょそこみたいな味覚に笑っちゃう。
女の子なら甘々なタピオカとか買ってきてもいいのにね。



トラジャの中ではどちらかというときっちりしている性格なAなのに、
疲れているとご飯を咀嚼するのもかったるいとコーヒーだけで済ませる。

偏食なのもいい加減にしろって如恵留にいつも怒られると、
しめみたいに甘くないからいいでしょと見るからに苦そうなブラックコーヒーを再びちゅうっと口にして少しだけ膨れっ面。


それを見兼ねた海人が間に入って、俺がAのご飯は面倒みてるからいーの！なんて。

どんないい分かよくわからないけれど、よくご飯食べに行こうと誘ってる姿を見るからそういうことなのかな。



こうしてAと非常階段での秘密の時間を共にして
いくうちに、お互いの距離はすぐに縮まったと思う。

元々俺は人見知りなんてしないけど、Aが凄かったからね。



如恵留に見せる年上を頼りにして縋るように、はたまたAがかわいくて仕方がなくてちょっかいだしまくるような、ベタベタな関係ではないけれど、Aは俺が年下でしゃべりやすいのだろう。



いつの日か、弟ができたらこんなかんじんだろうな、と呟いていたのを聞いたことがある。

それは俺が非常階段で壁に身体を預けてAを見ていると眠気が襲ってきて、眠っているのか、起きているのかわからないまどろみのような瞬間にふわりと頭を撫でてそう呟いていたのを聞いたのだ。

その手のひらの暖かさに安心ししばらく深い眠りについてしまったのを覚えている。









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「あ〜疲れた！踊りすぎた！！！！！」



ごろんと床に仰向けで寝そべると、Aも隣にごろんと肩を並べた。



「Aあとで、俺のソロみてね。アドバイスちょうだい」


「じゃあ、元太も言ってね。」







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