どうしようもなく好きなの【Kaito.N】

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「Aさん、おはようございます！メイク入りますね！」


「おはよう、よろしくね」




今日は外の撮影ですし、暑いからヘアはまとめますね〜！

とテキパキとコテを温めながら進めてくれる彼女。

鏡越しに目が合うと、少し言いづらそうに小声で伝えてくる。




「あの、Aさん。普段Aさんと中村さんって、どこでご飯食べたりするんですか？」



「え？」


「中村さんをご飯にお誘いしたいなと思ってるんです。Aさんなら中村さんの食の好みとか知ってるかと…」


「無難に焼肉じゃない？」


「やっぱりそうですよね！あの、中村さんって…！」


「あのさ、その話、わたしが聞かないといけない話かな？」


「いや…そんなことは」


「じゃあ、海人に直接聞きなよ」




少し気まずくなったところでこの能天気男はやってきた。




「ねえねえ俺の話ー？」


「なんでもないよ」


「もー、A八つ当たりしちゃだめだよ。

一生懸命に会話振ってくれてるのに、Aがそんな調子じゃかわいそうじゃん」





何も知らないくせに。

メイクさんの肩を持つ海人にイラつきが頂点に達し、目の前にあったペットボトルを海人に投げつけようとしたところで元太が大声でわたしの名前を呼んだ




「Aーーーーーー！！！！！！

この前一緒にテレビ出たやつの放送今やってるー！」




何事もないようにペットボトルから水を飲んだ。


助けてくれて、ありがとう。元太。






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