どうしようもなく好きなの【Kaito.N】

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Kaito side






Aが少し変だ。

この前の涙を見た日から。



何か隠すようにしているし、
考え込むことが多くぼーっとしているときがある。



何より俺の元に全然来ない。

普段、待機中の楽屋ではソファーに腰掛けて携帯ゲームしている俺の隣はだいたいA。

話したりすることはなくても、近くにいるだけで居心地がいい。そんな関係だと思っていたんだけど。


それになんだかAに避けられてる感じもする。



最近はもっぱら元太にべったりで、元太も満更ではないよう。

今までは、Aかまって〜！！と、飛びついてはちょっかいだしたり、甘えたりしていたけれど、
なんとなく今はAを守っている感じがする。




俺が少し過保護に怒りすぎてしまったことが原因なのかもしれないけれど。

俺、すぐ謝ったじゃん。

Aは覚えてないかもしれないけれど、俺はあの日から君を守るって決めてるんだよ。






「中村さん〜！メイク始めるのでここ座ってください！」



「あ、この前借りた漫画持ってきたから返すね。
あと、コンビニで買ったやつでごめんだけどお菓子。お礼に」



「ありがとうございます！！！このお菓子大好きなんですよ〜！！！！」








視界の端に見えたAの瞳が不安そうにこちらを向いていた。









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