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「あれ?白鳥沢の?」
そう言って話しかけてきたのは梟谷のセッター。
そばにはNEKOMAと書かれた赤いジャージを来ている金髪の選手もいる。
「梟谷の・・・えっと、赤葦」
「久しぶり。白鳥沢残念だったね」
そう談笑している間にも音駒の金髪からの視線を太一はずっと感じていた。
「白鳥沢の川西サン・・・?どうして音駒の関係者パス持ってるの?」
徐ろにそう聞かれてビクッと太一の肩が跳ねる。
「えっと、そっちの監督が俺の親戚で、手伝いって名目で見学させてもらいに来たんだ」
そう言うと音駒の選手はフッと笑い
「監督は随分川西サンに期待してるんだね。俺、2年の孤爪研磨。またあったらヨロシクね」
じゃあ、と言って孤爪は赤い集団の元へ歩いていった。
その流れで赤葦とも別れ1日目は試合を見てインハイで当たったチームや初めて全国出場や久々の出場チームを中心に見て回った。
そして2日目。
「お?白鳥沢のかーにしくんやーん」
面倒なのに見つかった。
太一はそう思わざるを得なかった。
「久しぶりだな、宮」
「さーて俺はどっちの宮でしょーか」
「ぶっちゃけどっちでもいいけどこっちが侑でこっちが治」
「川西くんってぼーっとしてるように見えて以外と見てんねんな」
宮兄弟や昨日の梟谷の赤葦との繋がりは、U-17に牛島、木兎、尾白、宮侑が呼ばれていたために間接的な関わりから全国大会での対面での会話、そして、合宿で打ち解けるというようになんだかんだ今までで仲良くなってきたというものだった。
宮兄弟は今日烏野と戦うということで、そのまま試合を見る約束をして別れた。
「俺達がかーにしくん達の仇をとったるわ!!!」
「あーぶっちゃけ、同県だし烏野でも、友人の好で稲荷崎でもどっちでもいいかな」
「川西くん淡白やな」
結果として烏野が勝ち上がり、太一は逃げたものの宮侑に捕まり悔しさをぶつけられ、その日の記憶は、泣いた侑は面倒くさい、というものがトップに来てしまった。
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作者名:流輝星 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Ruachoce
作成日時:2019年2月18日 22時