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写真を撮ろうと思ってカメラを首からさげ、球場へと足を運んだ。

しばらくの間練習中の選手達を撮っていたら休憩時間となった。

休憩時間中の選手を撮るのも私の仕事。
選手を撮ろうとカメラを構えると勇人さんにあった。

坂「A、おはよう」

びっくりした。あんなことがあってからはじめて声をかけられた。出来れば話したくはなかったが、挨拶を返さないわけにも行かなくて

『おはよう...ございます』と返した。

少しぎこちなくなってしまった。
あからさま過ぎたかな?なんて考えていると突然勇人さんが「あのさ、ごめんな」と謝ってきた。

『何のことですか』と聞くと
一昨日のことに対する謝罪だった。

本当は許せるほど私の心に余裕はなかったが、
気まずいまま過ごすのが嫌だったのも事実。

もうあんなこと絶対にしないというのを条件に許すことにした。

仕事に戻ろうとしたら勇人さんに
「卓とは連絡取ってんの?」と聞かれた。

あの日の夜、かけ直して繋がらなかった電話を境に連絡は一切取っていない。
『...取ってないです』と告げた。

すると勇人さんはあの時みたいに悪戯な笑顔を浮かべて「ふ〜ん」と言ってきた。

坂「卓のこと、」

『?』

坂「教えたろうか?」

卓さんと連絡を取らなくなってから彼が今どんな状況なのか分からない。

本当は他人から聞くようなことではないと分かってても好きな人のことだから知りたくなって
『...はい』と答えてしまった。

勇人さんの口から告げられた言葉は衝撃的なことだった。

坂「卓、週刊誌に撮られてん。それも熱愛報道。Aとの事じゃなくて日ハムの広報とのやつ。
週刊誌見てみたら?仲良さそうにしてる写真もあったで。そろそろネットにも上がっとんちゃう?」

気づいた時には涙が頬を濡らしていた。

それに気づいた私は球場裏へと駆け込んだ。


卓さんは浮気なんかする人じゃない。

だっていつも自分のことよりも私のことを優先してくれて、大切にしてくれた。

連絡も欠かさずしてくれた。

そんな人が浮気なんかするはずない。



心の中でそう自分に言い聞かせた。









いつからだろう...?
幸せだったはずの毎日が崩れ始めたのは。

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作者名:まっちゃ | 作成日時:2018年7月7日 13時

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