ドミノ ② (ページ7)

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今日からヤクルト戦がはじまる。
切り替えなきゃ行けないのに昨日のことを思い出して口角が上がってしまう。

「こわっ」

声が聞こえた方を振り向くと石川慎吾くんがいた。
慎吾くんは私より歳上だけど、元日ハム選手ということもあり卓さん繋がりで仲良くしてもらっている。

『女性に対して怖いだなんて失礼ですよ！』

慎「1人でニヤニヤしとったら誰でも怖いやろ！」

『ニヤニヤなんかしてません！』

慎「嘘や！しとったで。自覚ないん？」

『無いことは無いですけど…』

慎「あるんやんw
どーせ卓さん絡みでいい事あったんやろ？
分かりやすすぎ～」

『な！』

慎「図星かよ！
幸せなんはええけど気をつけーや？
浮かれとると足元すくわれんで？
ま、俺は関係ないけど。」

練習戻るわと言って慎吾くんは行ってしまった。

足元すくわれる？
なんのことだろうと考えていると後ろから声が聞こえた。

「また考え事？」

『山田さん！』

山「いっつもAちゃんに声かける時、考え事しとるよね？」

振り向いた先にはヤクルトの山田哲人さんがいた。

山「てゆーか、名字呼びに戻っとるやん！
あかん！やり直し！！」

『へ？』

山「お互い名前呼びにするの決めたやろ？」

『あ...すみません』

山「反省したならよろしい。はい、もう1回どうぞ？」

『...哲人さん』

山「よく出来ました！」

なんて笑みを浮かべている。

卓さんよりは1つ歳下の哲人さん。
私よりは2つ歳上だけど、どこか子犬のような可愛らしさがある。

山「ね、Aちゃん」

『？』

山「今日試合終わったら飯行かん？」

『へ？』

山「あ、もちろんみんなで！
勇人さんとかも誘おうや！絶対楽しいで！」

目をキラキラさせて言ってくる哲人さん。

『お誘いは嬉しいんですが、仕事が...』

山「ええよ！待ってたるから！」

『いや、でも...』

仕事の残りを片付ける予定だったので断ろうとしたが、なかなか哲人さんが粘り強い。

なかなか断らさせてくれない哲人さんに困っていると勇人さんが混じってきた。

坂「なにしてんの」

山「Aちゃん飯に誘ってるんです！」

坂「二人で行くん？」

山「違いますよ！これから勇人さんとかも誘う予定です！」

坂「予定ってなんやねんw」

山「な？Aちゃんどう？折角やし、行かん？」

『......』

例えるなら構って欲しい犬が飼い主を見つめる時のつぶらな瞳。

タジタジになり、困っていると勇人さんが口を開いた。