ドミノ ② (ページ15)

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哲人さんは立ち止まり慎吾くんに声をかけた。

山｢Aはよかった？｣

なんて悪戯な笑みを浮かべながら今度は慎吾くんに聞いた。

石｢そんなんしてないっすよ。第一、卓さんおるし。｣

山｢ふーん。中島さんおらんかったらやってたんや？｣

石｢どっかの誰かさんとは違って俺は勝手に待ったり、手を出したりしませんよ｣

山｢はは、喧嘩売っとる？｣

石｢まさか｣

山｢なんでもええけど、余裕ぶっこいてたらいつかぶっ壊れるで？｣

石｢.......｣

山｢図星やんw｣

石｢そんなんじゃないっすよ｣

山｢あっそ。｣

哲人さんは私を横目で見て口を開いた。

山｢A、また後でな。今度は俺に送らしてな｣

『？...はい、お願いします...？』

山田さんはてくてくと練習場へと行ってしまった。

二人きりになった廊下で慎吾くんが沈黙を破った。

石｢もう1人で哲人さんに会ったらあかんで｣

『なんでですか...？哲人さん、良い方ですよ？』

石｢あかんもんはあかん！｣

『なんで｢それから！｣

石｢それから...俺にも安心して近づきすぎたらあかんからな。｣

『慎吾くん...？』

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そんな泣きそうな顔で言われても説得力ないよ。

心配になって近づいちゃうじゃん。

私はそっと慎吾くんを抱きしめた。

マナーモードにしていた自分のスマホがなっていたことに気付かずに。

私はまだこの時、本当の意味で慎吾くんの言葉を理解出来てなかったんだ。