ドミノ ② (ページ2)

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西川遥輝 side

ブー

マナーモードにしていた携帯が鳴った。

誰やろうと思い表示された通知を見ると
「坂本勇人」の4文字があった。

メールの内容を確認しようと携帯をいじり始めると近ちゃんに声をかけられた。

近「遥輝さんさっきから携帯気にしてますけど、彼女ですか？」

杉「まじで？！」

『ちゃうから！拳士さんもやめてください！』

今日はファイターズのメンバーでご飯に来ている。
みんなそこそこお酒が入っとるからダル絡みがすごい。

隣に座っとった卓さんが「ドンマイ」と一言。
心の中で『あんたもやで、卓さん』とツッコミを入れた。

違う話題で盛り上がり始めたので、影でこっそりと携帯を開いた。

「どこで飲んでんの？」と勇人さんからのメール。

なんで飲んでんの知っとるんやろうと疑問を抱きながらも場所を伝えた。

するとすぐ既読がついて「今から行くわ」と。

びっくりして思わず電話をかけた。
コールが鳴ってる間に
『すみません、ちょっと御手洗行ってきます』と
みんなに声をかけて店を出た。

しばらくして勇人さんが電話に出た。

『勇人さん！今から行くってなんすか！』

坂「いや、近くで飯食ってたしええかなって」

『何冗談言ってるんですか！
ほんまはちゃんとした理由があるんやないですか？』

坂「.....」

『勇人さん？』

坂「そっちに届け物があるんやけど。」

『届け物？』

坂「そっちにって言うか、卓にやけど。」

その一言を聞いてわかった。
Aちゃんのことだ。

『なんでAちゃん連れてくるんですか？』

坂「今後のAと卓に関わる大事な話があるから」

『なんすか？大事な話って...』

坂「分かっとるくせにわざと聞いとるやろ？」

なんて勇人さんが言うから俺が頭に浮かべてたことが確信へと変わった。

3人のいざこざのことやって。

『連れてきても大丈夫ですけど、
店貸し切ってやるくらい人数いますよ？』

坂「平気やろ？
遥輝が卓のこと外に呼び出せば。」

『...いいですけど、勇人さんはいいんすか？』

坂「...いいなんて言ったら嘘になるけど、
Aに振られたしな～。
それにAが幸せならええよ。ま、諦めるつもりはないけど。」

『勇人さんがいいなら協力しますよ。
俺も卓さんとAちゃんには幸せになって欲しいし。』

･卓さんを店の外に誘導すること
･卓さんにはこのことを秘密すること

この2つを守るように頼まれた。

『心配やな…』

呟いた俺の声は夜の街に消え、俺は店の中へ戻った。