白尾の奏

たばこ (きりやん) ページ24

_____もっとちゃんと私を見ててよ
もっとちゃんとって_____





その言葉が君には重かったの？





_____もっとちゃんと私を見ててよ
もっとちゃんとって_____





言わなければ君はここに居たかな？





少し苦い君の匂いが




_____大好きでした_____




.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*

昨日君が居なくなって24時間が経つ。




ここに居た君の姿、匂いがまだ残っている。



A「なんで…………………………。」



私はボソリと呟きスマホのロック画面に涙を零す。




そこには2人の写真。




私の大好きだった人。




私が重すぎたせいで彼は私の元から去ってしまった。





今更後悔しても遅いのに………………。




ふとベランダを見るといつもの様にたばこを吸っている君が居る。




きっとこれは幻覚。




だけどいつもの様にそこに君は居た。




たばこの嫌いな私を気遣っていつも切なそうな顔をしてベランダで吸ってたっけな。




私は未だにたばこの良さが分からない。




ただ苦いだけ。



私には大人の味だと思ってた。



だけど君は好きだったよね。




私と過ごす時間が増えるとたばこの吸う量も増えてきて……多分彼にとって私はストレスだったのかもしれない。



なら別れて正解だよな。




って思ったけど……………………私が嫌だ。




彼が置いていったたばこを手に取り、ライターを付ける。



君の匂いがした。



一口吸うとやっぱりむせてしまう。



だけどこの匂いがたまらなく好きで…………好きで………………泣けてくる。




なんであの時あんな事を言ったんだろう。




A「もっとちゃんと私も見てよ…………もっとちゃんと…………………………。」




きりやん「ごめん………………そういうの重いわ。」



そう言って君はこの家を出ていった。




もし言わなければ…………………………。




もしそのままたばこを吸う君を見ていれば君はここに居たのかな……………………。




ねぇ………………私が我慢するから……………………。




もう我儘言わないから…………………………。




戻ってきてよ……………………………………………………。




このたばこを取りに戻ってきて……………………。

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