僕たちの彼女［短編集］

〃 ページ4

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side tomohiro






「っ、はぁ」





まじで心臓痛い






初恋を捨てられないって、




めっちゃつらい






俺がその子を好きになったのは




小学校1年





入学式で、初めて手をつないで、





これが恋心であることに気づくのに





そう長くはかからなかった






俺がバレーを始めたら、Aもバレーを始めて





俺が橘に行くからっていう理由で橘に来たっていう噂さえもある








『私、もうバレーできないみたい』





そう告げたときの苦しそうな表情が頭から離れない





「もし、あれだったら、マネやらない？」




今はこの言葉のおかげで、




一緒に居れる時間も増えた









でも厄介なこともある




≪Aってかわいくね？≫




もう何回目だよ、この話




マネージャーとして、近くにいる時間が増えたことからか、




チームメイトAの可愛さに気づかれてしまって、




マネージャーに誘ったことを後悔したり、後悔しなかったり





〈小川は？Aと中学一緒だろ？〉




「そうっすね、小学から一緒っす」



〈うわっ、ずるっ〉




≪すきじゃねーの？Aのこと≫






「Aっすか？」





「ただの仲のいい友達っす」






嘘だ




小学校からここまで、




Aの周りに悪い男が付こうものなら、



すべて追い払ってきた



でも、



自分の思いをつたえられない




俺はただの意気地なし










視界の端に映った君を




目で追いかける




どうしてそんなに苦しい顔をするのか




知る由もなかった












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