僕たちの彼女［短編集］

〃 ページ25

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side You





開いた口がふさがらないとは、このことか






「え、無視？」




なんて言うから、




『好き、』




「っ、急に告られた、笑」




『え、あ、違くて、その、』




やばい、言葉がまとまらない




永露「俺らと写真撮る？」



『えっ、いろくん』



おがぴと永露くんと話してる


今日は命日？



「撮ろ撮ろ、今日自分で映ってないっしょ？」



なぜバレている



「ほら、行くよ」



おがぴが私の腕をつかんで、一緒にパネルの前に立つ



永露「笑って〜！はい、チーズ」



「次、元稀」


永露「俺のパネルの前じゃねぇの？」


「時間ないから、早く」



ちぇ〜と言いながら、永露くんが隣に来る


「はい、おがぴー」


『ふっ、』


「お、いい笑顔」


写真を見せてもらうと、おがぴの横では固かった表情が、永露くんとの写真では少し和らいでいる



永露「はい、俺のときのほうがいい笑顔してる〜」



「いや、俺推しだから、固くなるの当たり前だから」



とかいいながら、少しいじけてるおがぴ



『かわいい、』



永露「かわいいだってよ」



「ちょーっと本望ではないな、笑」



「あ、そういえば」



はい、という声と一緒に出されるおがぴの右手



『はい、？』



「ケータイ、写真俺にもちょーだい？」



『あ、はい。エアドロでいいですか？』



「いや、LINE」



え、？


ただ写真貰うだけなのに連絡先交換するの、？



永露「俺もほしーなー」



「お前には俺から送るからいいだろ」



永露「ケチ」



「何とでも言っとけ」



ケータイまだですかーと駄々をこね始めたおがわともひろ(5)



恐る恐るロックを解除したスマホを右手にのせる



「よし、」



満足げに笑うおがぴ


返されたスマホには“小川智大”の文字が表示されていた



永露「今日はどこ座るの？」



『一階、B席です、ホーム側の』



「おっけ、見つける」



『ひぇ、』



めちゃくちゃ変な声出た


いや、出ないことないよね


だって、推しが自分のこと探してくれるんだよ、？



「じゃ、試合楽しんで」


『はいっ！』







手を振りながら去っていった二人



今も、まだ夢見心地



でも、私のスマホには、確かに写真が残っていた








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