僕たちの彼女［短編集］

再会、そして再開　#8 ページ13

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side You







『…別れてほしい、』





そう話した時の誠大の表情は忘れられない









高校の時に出会った私たち





誠大が告白してくれたから、大学入学前に付き合うことになった




倦怠期もなく、だから、




とても驚いていた








「…理由って、聞いてもいい？」





『…ほかに、好きな人が出来たから』





『だから、ごめんね』








事前にまとめておいた荷物を持って




同棲していた家と別れを告げる










こうなったのには、訳がある




事の始まりは3週間前






[おめでとうございます、妊娠7週目です]





遅れていた生理




まさかと思って訪れた産婦人科で、まさかの一言





[結婚してらっしゃらないようなので、お相手の方とはよく話をしてください]






誠大は今、東京オリンピック前の、大切な時期



そんな時に、彼女から“子供ができた”だなんて言われたら、



彼に大きな悪影響を及ぼしかねない



中絶できるのは22週まで



でも12週を過ぎると、大変になってしまうらしい



気が付けば、再来週には12週目



中絶は、体にも、心にも、大きなダメージがかかる



できるものならば、産みたい





産んで、育てる





そう決めた





でも、誠大には迷惑をかけられない







別れる








私にはその道しかなかった











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