距離感4センチ ページ6
チャイムが鳴り、お昼休みの終了を告げる
席につけーと数学の先生が教室に入ってきて、各々自分の席に戻る中
私と丸井くんは動かずにいた
『丸井くん?授業始まるよ〜』
「俺の席そこなんだけど!」
私は机にもたれかかりながら丸井くんと会話を続けた
どうやら私がもたれてるこの机は丸井くんの席らしい
『じゃあ丸井くんもそこどいてよ、私の席だよ』
「え、マジ?隣だったのかよ」
『偶然だね〜』
そう言ってお互い席に着く
数学の授業はつまらない
チラッと隣を見ると丸井くんはうーんと唸りながら数学と格闘していた
「4×1=4、4×2=8...」
今やってる問題の途中式で4の段を使うみたいでブツブツと九九を唱えていた
その様子が面白くて丸井くんをずっと夢中で見る
「4×6=...24、4×7=...これ苦手だな、うーん、4×7=...29!4×8=32..4×9=...46!」
「4×9=46だ!」
え、丸井くん
ヤバくない?
『あははっ、違うからっ』
思わず笑いを我慢できず、吹き出してしまった
周りもざわざわと雑談したりしていたため私の声は目立つことはなかった
「お前、聞いてたのかよ」
『お前じゃないよ、椎名って呼んで』
「…椎名、この問題さっぱりわかんねぇ」
『だって4×9=46じゃないもん』
「それはちょっとゴロがよくて勢いで言っただけって言うか…教えてくれよ」
『うん、いいよ…机くっつけようか』
数学のこの先生は割と自由な方針で分かる人は分からない人に教えてもいい
その時に机を並べてつける人は少なくない
トンッと静かに音を立てて机を並べる
『この問題?』
「そう」
『これはね…』
机を並べたことによって丸井くんと物理的に距離が近くなる。
丸井くんのノートの問題を見ながら説明するもんだから自然と私の体は丸井くんの机に乗り出し、丸井くんのすぐ横で説明する。
こうこうと説明していると丸井くんがソワソワしているのが伝わってくる
『…こういうことなんだけど、ねぇ、聞いてる?』
「えっ!ちょっ…わりぃ、もう一回初めっから頼む」
『えぇ、聞いてなかったでしょ』
「いや!聞いてた!聞いてたけど」
『けど何さ?』
「椎名って距離感どうなってんの」
『ん?丸井くんがそんなこと言うの?』
今朝廊下で女の子に抱きついてるの見たけどなぁ
なんて思いながら自分の距離感について思い直す。
まぁ、思い直したところでなんだけど。
別に普通に接してるつもりなんだけど?
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仁王彩香 - 腹黒ヤンキー夢主の作品も更新頑張ってください^_^ (2020年5月11日 12時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 吹雪彩香さん» すみません、今は何かと忙しく、今作以外を更新する予定はありません。読んでくださってありがとうございます^ - ^ (2020年4月12日 4時) (レス) id: d8248279b4 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - ハオミンさん» お待たせしてしまって申し訳ないです!少しずつ更新していきますね〜! (2020年4月12日 4時) (レス) id: d8248279b4 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 腹黒ヤンキーの夢主作品も続きの更新お願いします(´;Д;`) (2020年4月10日 21時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
ハオミン - 久々更新!ずっと待ってました!これからも楽しみにしてます! (2020年4月10日 20時) (レス) id: 228eb0b481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2019年6月2日 16時