立海テニス部R陣は距離感狂ってる系女子に困ってます。【テニプリ】

距離感18センチ ページ20

あっという間に授業は終わり


帰る支度をする


帰ってから何をしようかな〜と考えていると私を呼ぶ声が聞こえた


【A〜！今からテニス部見に行こうよ！】


新しいクラスになり友達も増える


その内の1人が私に声をかけてきた


『テニス部？何を見に行くの？』


テニス部に入るわけでもないのに何を見に行くのか


【選手たちの練習風景に決まってるじゃない！】


練習風景を見てなにかあるのかな？


テニス部ってそういえば精市とかまーくんもテニス部だった気がする


精市達に会いたいし、まあいいか


あまり深く考えず、友人のお誘いを受け入れる


『別に暇だし行ってもいいよ』


私はこの判断を少し後悔する




ーテニスコート付近ー



友人と2人でテニスコートに向けて歩いていると、なにやら人だかりが出来ている


選手の名前を叫び、応援する声が聞こえた


『なんか…言っちゃ悪いけどうるさいね』


【こんなの日常茶飯事じゃない！ほら行こう！】


へぇ〜と納得しながらコートが見えるところを探すが見つからない


どこに行っても人、人、人



『見えないし帰ってもいいかな…』



【待って！もうすぐあの時間だから！】



『あの時間？』


精市達の姿は見えないし、さして興味もないテニスを必死になって見たいとも思わない


この友人が言うあの時間ってのはよくわからないけど

家に帰っても暇だしこの友人に付き合ってあげよう




そう思った瞬間



周りにいた女の子たちはカバンからゴソゴソと何かを取り出す



一斉に起こったその現象に驚き、目を向ける


周囲の女子の手にはタオルや飲み物、お菓子やタッパの箱を持つ人、人、人


タッパの中身はレモンの蜂蜜漬けみたい


美味しそう


いやに暑い今日の天気に周りが持つ冷たい飲み物やタオルが欲しくなった


【A…来るわよ、あの時間が！】


いや、だからあの時間ってなんなの…


ちゃっかりこの友人の手にもタオルと飲み物がスタンバイされていて


私はやっと理解した


「みんなっ！休憩！」


この合図と共にテニスコートに女子がなだれ込む


【練習お疲れ様っ！はい！タオルとドリンク！】


【レモンの蜂蜜漬け作ってきたの！食べて！】


飛び交う差し入れの嵐に私は呆然と立ち尽くすしかなかった。


大人気テニス部おそるべし…。

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