儚 ページ22
〇儚
｢あれ、笑｣
学校の課題してたら
すっかり真夜中になってしまった今日
自室からリビングに戻ると
ベランダに人影
｢起きてたんだ｣
｢、ん｣
外をずーーーっと見つめる彼は
月光に照らされて
とても、とても、美しかった
｢私も隣、いい？｣
｢うん｣
普段なら許可なく紫耀に抱きついたりするけど
今日みたいな、触れたら消えちゃいそうなモードに入った時の彼には
色々気を使っちゃう
｢外、意外と涼しいね｣
｢うん｣
とても、静かだ
紫耀は今、何を考えてるんだろう
紫耀の目には何が映っているんだろう
｢、、っていい、？｣
｢え？｣
｢たばこ、吸っていい？｣
｢あ、｣
灰皿にはもう何本もの吸い殻があった
｢いいよ｣
すぐに彼はライターで火をつけて
たばこを吸い始めた
たばこの煙は好きじゃないけど
大好きな彼のものは別枠
｢今日は、お酒じゃないんだね｣
彼は普段
たばこなんて吸わない
吸うのは年に数回
言うまでもなく
彼の喫煙姿は美しくて、今日みたいに見れた日はラッキー
｢たばこって、、おいしいの？｣
｢ん？吸う？｣
｢え、いらない笑｣
｢ふっ、笑｣
お酒もだけど
たばこはやっぱり体に良くないし
彼の大事な美声にも影響が出そうで
やめて欲しいのが本音だけど
｢おいしくないけど、いい気分転換｣
そんなこと言われたら、許しちゃう
｢ねぇ、紫耀
なんかあった？｣
｢ん、？ 別に｣
｢じゃあなんでたばこ吸うの？｣
｢悪い？｣
｢そうじゃないけど、｣
｢頑張ろうって、スイッチ入れてるつもり、これで｣
紫耀は最近、むり、とか、だるい、とかよりも
｢疲れた｣
と口にすることが多い。
お酒飲んで毒を吐くのも気が乗らない、なんていう有り様で
心配してたんだけど、、。
｢疲れた？｣
｢疲れた
あとどれくらいこんな生活続くんかなぁ、って思ったり｣
彼も大人になってきた
どれほどやめたいと愚痴っても
現実そう上手くはいかない
｢私じゃ、だめ？｣
｢は、、？笑｣
｢私ってお酒とかたばこ以下の存在なの？｣
｢へぇ、珍しく自信あるねんな笑｣
少し鼻で笑った彼は、私の頭を荒く撫でた
｢寝るか、そろそろ｣
たばこを灰皿に押し付けて
リビングに戻ろうとする彼
｢ちょっ？！｣
強引に腕を掴んで、華麗にターンさせ、
ーチュッ
｢私じゃダメなの？｣
月光に照らされた彼は驚いた顔をして
すぐに優しく微笑んだ
｢ありがとう、A｣
彼の唇はたばこの味がした
END
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イェジ(プロフ) - 突然すみません！！パスワード教えて欲しいです！ (2022年7月13日 19時) (
レス) id: 40bd569e74 (このIDを非表示/違反報告)
has(プロフ) - とりあえず舞香ちゃんと親友になりたいです。笑 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 11039f4f3f (このIDを非表示/違反報告)
has(プロフ) - 瞳様！更新ありがとうございますっっっ！わっっっお。平野さん最後のその一言はあかんです。リアルに平野がこんなけブラックでも私は愛せる自信あります。（え） (2021年5月23日 19時) (レス) id: 11039f4f3f (このIDを非表示/違反報告)
パリン(プロフ) - 瞳さん» ありがとうございます！瞳さんのこの作品が大好きで毎回更新を楽しみにさせて頂いてます！！大変だとは思いますが、これからも頑張ってください！！ (2020年11月22日 1時) (レス) id: 2e2855719b (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - パリンさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきますね！ (2020年11月21日 19時) (レス) id: 5c726e52d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hitomi
| 作成日時：2019年10月19日 0時
