平野様がご指名です。

48 ページ48

「ねえ！紫耀！

はやくはやく！」

「お前な、お墓で転んだらどうなるか知ってんのか？！」

「そこまでドジじゃないもん笑

パパ、ママ、久しぶり！」

今日は二人でお墓参り

「ねえ、聞いて！

私、医学部受かっちゃった〜！

すごくない？！すごいよね！

紫耀に嫌われたくないから頑張ったの〜笑」

ちょっと嫌味っぽく笑うのがまた可愛い

俺はというと

まあそれなりに、仕事頑張ってる

「A、、」


「あらまー、平野様

お久しぶりですねー笑」


病む頻度はかなり減ってきたけど

こうたまに病んだ時は

家でキャバ嬢に癒してもらう

「ブスばっかでさぁ、、

もう、、むり、、」

「平野様は頑張ってますもん

私知ってます」

優しく微笑むAはどんどん大人の顔になってきた

ーーーー

「紫耀」

「ん？」

「ずーっと私と一緒にいてくれるの？」

Aは墓石を綺麗にしながらそう聞いてきた

「もちろん」

ほんまに好きや

「お義父さん、お義母さん

Aさんを下さい」

お墓の前で手を合わす

「紫耀？笑」

「Aさんを一生守ります

だから安心してください」

「何言ってんの？笑」

「ってことで、結婚しよう」

「は？笑

私今からキラキラピチピチの女子大生なんですけど笑」

「もちろん、今すぐにじゃない

でもいつか」

「ふふん笑」

「A、一生俺のキャバ嬢でいて下さい」

「え、それってさお婆さんになっても？」

「うん」

「爆笑

いいよ、紫耀が中年太りになっても白髪になっても

ずーっとキャバ嬢でいてあげ、、きゃっ」

強く強く抱きしめた

もうさみしい思いなんてさせない

「パパとママが見てるから、、笑」

「お義母さんもお義父さんも、安心してるってたぶん笑」

「パパ、私のこと大好きだったからな〜笑

彼氏なんか激怒かも、、笑」

「えっ！ごめんなさい！お義父さん！！」

「ふふん笑

あー幸せだな〜笑

安心して、私が選んだ男だから笑

また来るね！

ほら、行くよ、紫耀」

差し出される手をぎゅっと繋いで
二人並んで歩く

きっとこの先もストレスはたまるし

仕事もやめたくなるだろう

でも俺の残りの人生

ずーっとAと一緒やから

「なに一人でにやけてるの？笑」

「平野様がご指名やで」

「もー笑」

綺麗な指で俺の頬に触れてくる

「好き、平野様」

昼間には似合わない妖美な顔で囁いてくる

幸せ

「A、、」

一生、お前は俺のキャバ嬢


END

新作→←47

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す