平野様がご指名です。After Story 6

お子ちゃま ページ10

〇お子ちゃま
「ごめん、遅くなるかも」

紫耀からLINE

分かってた、どうせ今日もこうだろうって

別に、全然気にしてないけど。

「うん、わかった！お仕事頑張ってね！」

もう寝ようかな

明日ね

私の誕生日なの

しかも20歳の。

今日で10代終わり

明日からお酒も解禁

その日の12時は一緒に過ごそうねって

紫耀と約束してたのに

もういいわ

寝る

ただいま23時

まあ、ニュースZERO途中まででも見るか

と思って

ソファに寝転んで

テレビ鑑賞

誕生日はあまり好きじゃない

特にパパとママが亡くなってからは。

ーーーーー

「ちょっと、紫耀、何してんの！

ほんま時間やばいからな！？」

「分かってるって！

でもほんまに今終わったもん！」

廉にガミガミ言われながら

表参道を駆け抜ける

ずっと、Aにあげるって決めてたネックレスをお店で予約してて

本当はもっと早く取りに行くはずだったのに

撮影が伸びまくってこの有様

全力で謝罪して、この時間までお店開けててもらってたわけ

廉は俺が心配で着いてきてくれた笑

「ほら、この電車乗ったら紫耀の家に45分くらいに着くから」

「ありがと、ほんまに、、」

廉にお礼を告げて

電車に飛び乗る

最悪やな

Aは誕生日が嫌いやから

本当は前日からずっと一緒にいたいのに

いっそ仕事なんてやめてしまいたい

最寄り駅について

駅のコンビニでアルコール薄めのチューハイを２本買った

「Aー！ごめんな！！遅くなった！」

時計を見れば

23時50分

セーフ

「あれ、、？笑」

ソファで俺のお姫様がお眠り中

起こすのも悪いかなって思ったけど

綺麗な頬をつんつんしてみる

「んん、、しょう、、？」

「そう

ごめんな、遅くなって」

そう言えば

ぱっと起き上がって

時計を確認

「え、やったー！セーフ！」

Aの目がキラキラ輝いた

よかった

俺走るの速くて笑

そのあとはもう

「しょおー、、大好きだよ、、

16歳で私のこと拾ってくれてありがとう、、」

俺にひっつきながら

永遠にそんなこと言ってる

「あ、拾ってあげたのは私の方か笑笑」

きっと、

Aの10代は誰よりも激動で、辛かっただろう

「ふふっ笑

私、紫耀と出会えてよかった

キャバクラで働いててよかったわー笑」

健気にそんなこと言うから

何も言わずに抱きしめる

「もー、苦しいよ笑

あ、もう59分だ！」

可愛くカウントダウンし始める

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