06：切ない夜 ページ6
−帰り道−
「しばらくオフだし、大学行かなきゃな〜」
「時間かかるけど絶対卒業はしたいしね。」
「ん〜僕はまたミュージカルの稽古始まる。」
「おお！期待してるよ、シア ジュンス〜」
「ああ！ユチョンもしっかり勉強しろよ〜」
「...ジュンスじゃないからね。」
「何だよー！」
・
・
・
帰宅後、ユチョンはベッドで本を読む。
こんなゆったりした時間が、幸せだ。
うとうとしかけた時、携帯が鳴った。
『もう１度、会って謝りたい』
失恋相手からのメール。
「...無理だよ。もう会えない。」
「どこまで俺を傷つける気なんだよ...」
「『謝りたい』って、自分がｽｯｷﾘしただけだろ。」
「それに、謝られたら許すしかないじゃないか...」
ユチョンはそのまま携帯を閉じた。
韓国に戻ってゆっくり出来ると思ったのに、
これで今日もまた、泣きながら眠るんだ。
１人、やるせない思いを抱いて...
彼女との出会いは、ﾄﾞﾗﾏの共演だった。
ふりがなつきの台本をもらったけど、
日本語の微妙なニュアンスが難しかった。
笑いながら教えてくれる彼女に惚れた。
５つ歳の離れた大人な女性。
彼女の笑顔は最高の笑顔だと思った。
でも、女の人の恐い部分を持っていた。
女として満たされたい、欲望と言うのかな...
別にそこを責める気はないよ。
せめて、共犯者にして欲しかった。
騙されるだけの、遊びの相手だった俺。
そんなことが信じられなくて、
というより、信じたくなくて。
どうしても彼女を憎むことが出来ないんだ。
憎いはずなのに、どこかで期待している。
こんな切ない夜は...
ダメだ...飲みに行く気力さえ湧かないよ。
明日の学校に備えて、眠るか...
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
