49：虚ろ ページ49
「ユチョン、Aさんに会ってるの？」
テキーラの入ったグラスを揺らしながら、
ゆっくり話すジェジュン。
「う〜ん あんまり会ってないな〜」
「え そうなの？せっかく日本にいるのに。」
「うん、そうなんだけど...」
「ユチョン 結構マメだったのに、どうしたの？」
「Aさん、モテるみたいだよ？大丈夫？」
「あはっ 大丈夫？って...」
「僕がまたフラれちゃうってこと？」
ヘラっと笑いながら、ジェジュンの顔を覗く。
「そうじゃないけどぉ...」
「ちゃんと、婚約者と別れたのかハッキリ聞いた？」
「...いや、聞いてない。でもっ」
「はぁ。『でも』じゃないよ。ちゃんとしなくちゃ。」
「ユチョン、わかってるよね？」
「許すのは、１度だけだよ。」
「女という生き物に、理想を抱きすぎてない？」
「誰もが清楚で優しくて一途なわけじゃないんだよ？」
「だって現に..」
「やめろっ！」
いつも穏やかなユチョンが、
ジェジュンに向かって声を荒げた。
ジェジュンは何も気にしていないかのように、
グラスに口をつけ、一口テキーラを飲む。
そして、再び口を開く。
「なんで怒るの？自信がないの？」
「ちゃんとつなぎ止めておかなきゃ。」
「忙しいのは、理由にならないよ。」
「...わかってる。」
「明日食事行く約束してるから。」
「大丈夫だから...ありがとう。」
「ん。余計な口出しして、ごめん。」
「そろそろ帰ろうか、俺今日も撮影だし。」
時計はすでに０時を回っていた。
「うん、そうだね。」
少し酔ったかな...
なんだか頭がクラクラするよ。
ユチョンはベッドに倒れ込むと、
虚ろな顔でポケットから携帯を取り出す。
「あぁ...A〜...」
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革ベルト
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