17：狂いまくる調子 ページ17
呼び出し音が鳴る間、ユチョンは考える。
俺は一体、どうしたいんだろう...？
Aちゃんは、Aじゃないのに。
ただ、名前と国が同じなだけ。
そりゃ、清楚な感じだけど。
怒りをぶつけようとしているのか...
悲しみを埋めてもらいたいのか...
同じ『A』に...
「...も、もしもし？」
「...あ、Aちゃん！」
「ユチョンさん、どうしました？」
「ん〜なんとなく、電話しちゃった。」
「あはは...そうですか。」
「ダメだった？声を聞きたいだけじゃ、ダメ？」
「...えっ...平気ですけど...///」
耳元で囁かれる、低く甘い声。
こんな男性に免疫のないA。
電話越しで、顔を赤らめ戸惑う。
ほら、照れちゃった♪
免疫なさそうだもんね、Aちゃん。
...それは、演技じゃないよね？
戸惑いを隠そうと、必死で話題を考えるA。
「...あ、あのっ...ええと。」
「あっ！今度いつ学園に来るんですか？」
「あ〜明後日から２週間、日本に行くんだ。」
「その後も仕事入っててしばらく行けないな〜」
俺が申し訳なさそうにこう言えば、
女は残念がって媚びるんじゃないの？
「そうなんですね〜スターは大変ですもんね〜」
「頑張ってくださいね！お体に気をつけて！」
「ゆっくり休んでください。」
あれ...なんか違う...？
って言うか、聞いたことあるセリフ...
「...っぷ。それ、さっきのﾒｰﾙで言ったじゃん！」
「えっ？あ、そっか！すみません...///」
「あっは！も〜なんだかな〜^^」
「...すみません...///」
も〜なんか調子狂うな〜(笑)
はあ、俺...何したいのか、
本当にわかんなくなっちゃうじゃん。
腹いせのような『怒り』...
あんな子にぶつけちゃいけないよな。
やっぱり、当たり前なんだけど、
Aちゃんは、あのヒトじゃない。
バカだな、俺は。本当に...
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革ベルト
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