episode 7 ページ9
私「ふぃー…」
美奈子先生のバレエスタジオで沢山肘が無理しない程度踊りまくり、リハビリの方法を改めて教わった私は、ゆーとぴあかつきの露天風呂に浸かっていた。長い髪の毛は軽くお団子にしてお湯に浸からないようにする。
私「やっぱり家の温泉効くー…」
お湯がじわじわと私の体を温め、ほぐすようだ。
私(先の事はゆっくり考えよう…)
現役続行か引退かは、将来を左右する大事な事だ。生半可な思いで決めてはならない。
だから、
私「とりあえずもう寝っましょー！」
ぼふん！
ベッドはダイブした私を優しく受け止めてくれた。
子供に戻ったみたい、もうすぐ20歳なのに(笑)
でももう寝る！今悩んでも意味ない！
だが中々寝付けず、寝返りをうって机の方を見た。家族の写真と、あの青薔薇のアレンジメントが置いてある。
結局、あれは誰からなんだろう…？
また思ったその時だった。
ピロリン♪ピロリン♪
枕元にあるスマホの着信音が鳴った。
この着信音…。お兄ちゃん？
急いでLINEを開く。
当たってた。
兄『A久しぶり。…起きてる？寝てたらごめんね。怪我の調子はどう？』
私『まだ起きてるよ、大丈夫！脳震盪はもう大丈夫だし、肘は美奈子先生と共にリハビリしてるよ』
兄『そっか、よかった。…あのさ、A』
私『何？』
兄『僕さ、日本に、長谷津に帰ろうと思ってるんだけど』
…え？
それを見て私は瞬きをするしかなかった。
私『お兄ちゃんどうかしたの？ホームシック？』
からかい気味に聞いてみるも、
兄『いや…、そろそろ引退について考えなきゃいけないと思って。チェルスティーノと契約を解消した』
私『…私に影響されてない？』
兄『チェルスティーノにもそれ言われたんだよね…。でも、僕の場合年もそうだしあと体がいつまでもつか分からない』
私『…確かにそうだよね』
スケート選手の競技人生は短い。
美しいものにこそ、代償がつく。
私『こっちはいつでも帰ってきても大丈夫だよー！…いつ帰ってくるの？』
兄『うーん…。大学の卒業式もあるから３月になるかな…？』
私『わかった』
私はこの高揚が収まらなかった。
私『待ってるね！』
そのメッセージを送り終えた後、私は枕に顔を埋めた。
久しぶりに兄と話せたのと、兄が長谷津に帰ってくるからだ。
明日一番に家族と先生に伝えなきゃ。
そして、３月。
私「お兄ちゃんのお迎え行ってきます！」
母「気を付けて行くんよ〜」
私はジャケットを羽織り、玄関から外へ飛び出す。
桜の吹雪が一面に広がった。
今日は兄がデトロイトから長谷津に帰ってくる日！
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2019年9月20日 0時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
紗良 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2018年6月17日 15時) (レス) id: e152c6e0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イリュー | 作成日時：2017年2月26日 0時
