episode 4 ページ6
真利「Aー!こっちこっちー」
私「真利お姉ちゃん、久しぶりー!」
「…ありゃあAじゃなかと?」
「あぁ昨年大怪我しちまった子かぁ」
「随分元気そうばい」
周りにいる人々が注目する中、私は真利お姉ちゃんが乗ってる車に走って近づいた。お姉ちゃんはこっちを見てる人々にすいませんという気持ちで軽く会釈をする。私は振り返り笑顔で手を振った。
真利「あんたさー、変わらず元気すぎじゃない?怪我したってのにどっから来んのよそのポジティブ」
私「真利お姉ちゃんも相変わらずだるそうだよね。ナマケモノに余計に近づいた?」
皮肉な言い合いは私とお姉ちゃんが仲良いという証拠。双方、ふふっと笑い合う。
真利「…まあいいから乗って」
お姉ちゃんは助手席を親指で指し、私はドアを開けてケースを後ろの開放的なトランクに置く。別にして持ってた紙袋は胸に抱き抱えて座る。
真利「あー、一応シートベルトつけて。最近またうるさくなってきてさ」
私「外国も外国だけど、日本も日本だねー」
つけ終わった直後、車は動き出した。
暫くしてお姉ちゃんが質問してくる。
真利「とりあえずおかえりー」
私「うん、ただいま」
真利「久しぶりのここはどう?」
私「駅の様子が変わってたり…、あと人前より少なくなってない?都市部に出ちゃってたりしてるの?」
真利「まあAの言ってる事は正解だね。働く場所求めて都市部にーって」
私「へー」
真利「…そういえばさ、その紙袋に入ってるの何?お菓子?」
私「ううん」
赤信号になり車が止まるのを確認して中身を見せる。
真利「…へー」
珍しく目を見開いていた。
中に入っているのは、誰から送られてきたのか分からない青薔薇のアレンジメント。
真利「超綺麗じゃん。ファンから?」
私「それが分からなくて。病院の人からはスケートやってる人からだけしか」
真利「勇利からじゃないの?」
私「それ絶対ない(笑)お兄ちゃんああいうセンス持ってないし」
真利「妹に酷く言われてるぞ勇利…あ、着いた」
気づくと目の前には私の家─ゆーとぴあかつき─があった。うわあ、懐かしい…!
私はスーツケーツを取り出して正面玄関の前に立つ。
私「…」
真利「どうした」
私「何故か緊張が止まらん…」
真利「自分の家でしょ、そんな緊張どこから来んの」
お姉ちゃんは呆れながらも玄関の引戸を引いて「入って」と言った。私は一歩中に入ると、懐かしい家の木の香りと温かさが全身にしみた。
そして、
母「Aおかえり〜!」
父「おー、戻ったか!おかえり〜」
私「お母さんお父さんただいま!」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2019年9月20日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
紗良 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2018年6月17日 15時) (レス) id: e152c6e0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イリュー | 作成日時:2017年2月26日 0時