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孝｢Aコレ…｣
デスクの上にことりと置かれたのは、行方不明だった携帯だった
孝｢お前あの日…先に帰っちまったからさ…｣
｢あっ…そっか…タカに携帯渡したまんまだったね｣
孝｢今日……くの？｣
｢えっ？今日がなに？聞こえなかった｣
孝｢いや…なんでもねぇわ｣
｢変なの！笑｣
．
．
．
金曜日、急遽福岡へ向かったこともあり、やらなければならないことが山積みだった
通常業務だけですら定時で上がれることは少ないのに、尚且つ金曜日の分だ
｢今夜は残業決定だな…｣
そう呟いてＰＣに向かうと、仕事を終えたタカが驚いたようにこちらを見た
孝｢A…まだやんの…？｣
｢だって終わんないんだもん…｣
孝｢そうか…｣
｢なに？忙しいんだけど？｣
孝｢いや、じゃあお先に｣
｢お疲れ様〜｣
．
．
．
残業を終えて帰宅したのは、もう日付が変わろうとしていた頃だった
疲れた体を放り出すようにソファーに横になってから、何気なく付けたテレビには、キャスターたちが｢また明日｣と恭しく頭を下げている映像が流れている
｢この人達も夜中まで大変だなぁ……って…あれ？｣
横一列に並んで座ったキャスターの中に、一際甘いマスクの男性を見つける
｢嵐の櫻…井翔……月曜日……？｣
なんだか胸騒ぎがして手帳を開くと、今日の日付に赤いペンで丸が書かれており、同じページには見慣れない文字の並んだメモが挟まっている
｢明後日……あの店……大野……あっ…！！！！｣
突然頭の中でなにかが繋がって、コートも羽織らず家を飛び出した
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：紗愛(サラ) | 作成日時：2012年1月17日 8時
