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｢んー…朝？……あれ？まだ夜……？｣
．
．
昨日、後ろからあたしを抱きしめていたタカを振り切るように無我夢中で駆け出して…
ふと我に返った時には既に東京駅のホームに立っていた
大野さんへの想いと
タカの想いと
ミーちゃんの想い…
コンクリートで作られた窓のない部屋に閉じ込められていて、四方を囲む壁がジリジリと迫って来るような気がして、
その圧迫感から逃げるようにそそくさと家へ帰った
そしてどうやらそのまま眠ってしまったようで、外は真っ暗だった
時間を確かめようと携帯を探すが見当たらない
｢携帯…どうしたっけ…？｣
いくら捜しても見付からない携帯を捜すのを諦めて、腕時計を取り出そうとスーツのポケットを探ると、紙の感触が掌に広がる
何気なく取り出したそのメモには、ほわっと心が温かくなる文字が書かれていた
もう一度…
いや、何度も何度もその短い文章を読み返してから、手帳にそっと挟んだ
．
．
この歳になって
あたしの胸に芽生えたこの想いを
大切にしよう。
．
なにを無くしても
なにを壊しても
今はただ
その芽に水を注ぐんだ。
．
決して華やかではない
小さくて
平凡な花が咲くように
大切に
大切に
この想いを育てて行こう。
．
だって
芸能人だとしても
アイドルだとしても
あたしは
彼が
大野さんの事が
大好きだから。
．
．
まるで決意表明をするかのように、手帳にそう書き込んだ
まだこの時は
本気でそう
．
．
．
思っていたんだ＿＿
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革ベルト
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作者名：紗愛(サラ) | 作成日時：2012年1月17日 8時
