出逢った頃のように３ (ページ3)

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ホテルを後にして、駅まで向かおうとしたその時、以前この街に来た時よりも幾分か若い女性が多いように感じた

孝｢なんか…女子が多くねぇ？｣

｢タカも思った？｣

孝｢あぁ。しかもみんな同じバッグ持ってるし｣

｢ホントだ…｣

孝｢ARA…SHI？嵐？｣

｢えっ？｣

孝｢ホラ、あの紺色のバッグに嵐って書いてある｣

｢嵐…まさか…福岡ドーム…？｣

女性たちが嬉しそうに荷物を抱えやって来る先には、確か福岡ドームがあったはずだ

もしかして…それでこのホテルに…？

思わずホテルの方を振り返ると、じわっと胸が熱くなる

．

ねぇ大野さん？

これって

運命だと思いませんか？

もしも

運命だとしたならば

あたし…

本当に

この恋に駆け出しても

いいのでしょうか…？

．

．

らしくない期待をして太陽が照り付けるホテルの高層階を見上げていると、｢なぁ｣というタカの声で現実に戻る

｢ん？｣

孝｢お前が惚れてるヤツってまさか…｣
マジで嵐の大野じゃないよな？｣

｢えっ…？｣

孝｢だとしたらつじつまが合うんだよな…エレベーターでのことも、あの手紙のことも…｣

｢ま…まさか！｣

孝｢ならちゃんと説明しろよ！｣

｢…タカには関係ない｣

孝｢はぁ？お前マジで言ってんの？｣

｢あたしが誰を好きだろうと、タカには関係な……ん…！！！ちょっ…やめてよ！｣

孝｢…お前がマジでアイドルに惚れてるっつーなら、俺は引かねぇぞ｣