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｢おっそいなぁ…タカ何やってんだか…｣
ご夫婦二人でやっているこの小料理屋は、カウンター席しかない程こじんまりとしていて、家庭的な雰囲気が気に入っていた
それでも、退社してからもうすぐ１時間
いい加減待ちくたびれた頃、優しい笑顔の女将さんがコトリと小鉢を出してくれた
女｢良かったらどうぞ？｣
｢ありがとうございます！わぁ、ふろふき大根美味しそう！｣
女｢お連れ様、遅いですねぇ｣
｢マイペースなやつなので…もう慣れました｣
女｢恋人かなにか？たまに来てくださる男性よね？｣
｢いえ、ただの同僚です！｣
女｢そうなの？やだ私ったらてっきり…ごめんなさいね？｣
｢いえそんな！お気になさらないでくださいね？｣
女｢でも、お二人とってもお似合いなのに勿体ないわね｣
｢お似合いだなんて！お互い、男だとか女だとか思ってませんから！｣
女｢そう…あら、お酒が空ね。何かお持ちしましょうか？｣
｢あ、じゃあ熱燗を｣
女｢ふふふ、外は冷えるものね、かしこまりました｣
．
．
それから、女将さんや大将と会話を楽しみながらお酒を飲むこと１時間
タカに連絡をしても繋がることはなく、もう先に帰ろうと立ち上がった瞬間、身体がふらついた
｢おっ…と｣
女｢あらやだ、大丈夫？｣
｢すみません、ちょっと飲みすぎました…｣
女｢お料理もあまり進んでなかったものね。身体がビックリしちゃったのかしら｣
｢そういえば、なんだか胃も痛いような…｣
女｢奥で休んで行きなさい？その身体じゃ帰れないでしょう｣
｢いえ、すぐそこなので大丈夫です！｣
女｢でも…｣
｢ホントに大丈夫ですので！ありがとうございました、ごちそうさまでした｣
支えてくれていた女将さんにそう告げ外へ出ようと引き戸を開けると、ちょうど入って来た男性客にぶつかった
？｢おわっ…えっ？｣
．
．
心地好い温かさと、どことないぎこちなさを感じる腕に抱かれるうち、いつのまにか気を失っていた
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：紗愛(サラ) | 作成日時：2012年1月2日 22時
