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｢『でも…知りてぇし…』
だって！！ふふ！！｣
．
狭い１ルームマンションのドアを開けて自宅に入ると、堪えていた頬が緩む
．
まさか
あの大野さんに名前を聞かれるだなんて…！！
．
．
あの背格好と声、そして大野という名前
まさかなとは思っていたけれど、あんな高級なマンションに住んでいる若い男性だなんて、職業は限られている
．
やっぱり本人だったんだ――
．
ってやだあたしってば！
年甲斐もなくアイドルと少し話したからってニヤニヤしちゃって情けない！
でも…
．
それでも、やっぱり自然と頬が緩むのを感じた
．
そういえば…
頭…痛くない…？
．
．
思い返すと、ずっと続いている頭痛が、大野さんと話した時だけ治まっているような気がした
｢大野さんて…やっぱりマイナスイオン出てるのかな…｣
なんて馬鹿みたいなことを呟いてからテレビを点けると、明るい髪色のカツラを被って我が儘なお坊ちゃまに扮した彼に出逢った
｢ふっ…ふふっ｣
有名な女優さんとコミカルなやり取りをするそのお菓子のＣＭを見ていると、ふわりと心が温まる
そしてまた、頭痛が治まっていることに気が付いた
｢やっぱり！大野さん見てると頭痛が治る…！｣
．
．
．
その後ベッドに入ってからも、付録目当てで買ったファッション誌にたまたま載っていた彼のインタビューを熟読した
｢また…逢えるかなぁ…｣
幸せな気持ちのまま眠りに就くと、その夜見た夢には彼が出て来て、久しぶりにぐっすり眠れた
．
やっぱり
どんな薬よりも
大野さんが１番
効くみたい。
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：紗愛(サラ) | 作成日時：2012年1月2日 22時
