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やばっ…
遅刻するー！！！！
．
長い連休明け、数日前から続く頭痛が酷く早々にベッドに入り、携帯のアラームをセットするのをすっかり忘れていたあたしは、まんまと寝坊していた
とりあえずクローゼットからスーツを取り出して、パパッと化粧を済ませてから携帯を右手に握り締めて、住宅街を駆け抜ける
．
あの角の高級マンションを過ぎたらあとは駅まで一直線！
歳に負けるな！自分！！
．
ペースダウンする自分に喝を入れて、８cmのヒールを履いた足を速めた
．
．
と、その時―――
．
．
？｢おわっ｣
｢わっ！｣
―ボフッ―
｢痛たたた…｣
？｢…へーき？｣
｢あっ！すみません！大丈夫ですか？｣
？｢まぁ…うん……へーき｣
角を曲がった所で、一人の男性とぶつかったようだ
目深に帽子を被ったその男性は、尻餅をついた体を起こしてパンパンッと砂を払った
｢あ！時間！ホントすみません、失礼します！｣
？｢えっ…あ、うん｣
呆気に取られる男性にもう一度頭を下げてから、駅に向かってまた走り出した
．
．
．
｢はぁ…ギリギリセーフ…｣
社員証を首から提げ、セキュリティーを解除して社のエントランスをくぐり抜けると、同じ部署の同期、孝則にからかわれる
孝｢お前が寝坊なんて珍しいじゃん｣
｢タカ…おはよう！
なんか頭痛が酷くてさ、昨日２０時から寝てたらアラームかけるの忘れちゃって｣
孝｢おいおい、大丈夫かよ…
なんて言うと思ったら大間違いだっ！
どーせ飲み過ぎかなんかだろ！笑｣
｢痛っ！だから頭叩かないでよー！｣
孝｢叩きやすい位置にあるお前の頭が悪い！｣
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革ベルト
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作者名：紗愛(サラ) | 作成日時：2012年1月2日 22時
