どうやら私は幼馴染みに溺愛されているらしい 【knmc】

愛され25 ページ45

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剣持side






澤「わりーわりー 遅くなった！」


剣「大丈夫です。それじゃあ行きましょうか」







もう学校も終わり、今は約束した通り澤田を連れてAのいる病院に向かっている




何で僕が、という気持ちもありつつ、でもAはまだ僕のものじゃない訳で









澤「なぁ、Aってまだ目覚めてないんだよな」




剣「はい。でも、もしかしたら覚めてるかもしれません」




澤「…もし、Aの目が覚めてたら、俺、Aにこの気持ちを伝えるよ」




剣「！ 本気ですか」




澤「ああ。ほぼ確実に振られるだろうけどな笑」




剣「じゃあ、何で」




澤「なんかうじうじ悩んでんの性にあわないんだよ。そんなんしてるくらいなら…素直に伝えて振られる方がずっといい。あくまで俺は、だけどな」




剣「そういう…もんなんですかね」




澤「さあ？ わかんねぇけど俺はそう思う」





───だから、




と彼は続ける






澤「剣持もそろそろ、先に進んだらどうだ
俺が何言ってんだって話だけどよ、端から見てるとお前ら分かりやすすぎんのに何ビビってんだよ
」








ビビってる…？ 僕が？






確かに、心地のよい関係を壊したくなくて逃げてきた





それは事実だ





もう逃げないって決めたのに










でも……ビビってる？




この剣持刀也が？









剣「…そうですね 確かに一理あるかもです」










そんなの有り得ない




僕は剣持刀也だ




僕以上に人生を謳歌してる人間など、いないのだ







ならば、すべきことはただ一つ

















無意識に口角が上がる




今の僕はきっとすごく楽しそうな顔をしているだろう












─どうか、Aが目を覚めしていますように

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