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目が覚めたら、わたしは蓮にがっちりとホールドされていて
まるで彼の抱き枕にでもなった気分だった。
顔だけをなんとか動かして時計を確認すると
もう朝とは言えない時間でびっくりする。
一度も目を覚まさず、こんなに眠れるなんて。
休日にどんなにゆっくり寝たとしても8時にはベッドを出るし
夫もこんなに長い時間眠らない。
蓮はまだぐうぐうと眠りを貪っている。
あと数時間でおしまいだよ、眠ってていいの？と思う反面、
やつれていた彼の顔に柔らかさが戻っていることに安心して
もっとずっと眠っていていいよ、という気持ちにもなる。
仕事が上手くいかなくて
十分な睡眠も取れていなかったんだろうな。
自然に起きるまで寝かせてあげよう、と身体を捩って
その逞しい腕から抜け出そうとする。
「A、」
解けかかっていた腕に力が戻り、
わたしはまた大きな身体に包み込まれた。
「…起きちゃった？」
「ん……すげえ寝た……気がする…」
「10時間は眠った…かな？」
「え、マジ？久しぶりにそんな寝た…」
「わたしもこんなに眠ったの初めて」
まだぼんやりとした表情の蓮がかわいくて笑うと
彼は照れ臭そうに目を擦ってわたしの額にキスを落とした。
「…あ、コーヒー淹れようかな」
「待って、俺やりたい。昨日教わったし」
「うん、ありがとう。じゃあわたしは朝食作るね」
「ふは、もう昼メシじゃない？」
そんな会話をしながらふたりでベッドを抜け出る。
リビングは昨日とは打って変わって明るい光が差し込んでいて
許されざる日の終わりを晴れやかに迎えている。
蓮がコーヒーを淹れて、
わたしがブランチを作って、
ダイニングテーブルに横並びに座って食事をした。
「うっま…！！」
「チーズ入りのオムレツっておいしいよね。
蓮が淹れてくれたコーヒーもすごくおいしいよ」
「っしゃー。自分でも買おうかな、コーヒーミル」
何年も前から一緒にいるような空気感。
一瞬ここが誰の家なのか、わたしは何者なのかも分からなくなるほど、蓮はこの場所に馴染んでいた。
他愛もない話をしながらゆっくりとブランチを済ませると
別れの時間も刻一刻と近づいている。
「蓮、最後になにかしたいことある？
なんでもいいよ。その…そういうこと、じゃなければ」
「ふは、分かってるよ。
……最後にAの話を聞きたい。
Aの、今までの人生の話」
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藤野(プロフ) - まままさん» まままさま、こちらも読んでくださっていたなんて嬉しいです！♡これからは「惚れるな危険」も更新していきますので、どうぞよろしくお願いします〜！ (2022年4月4日 9時) (
レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - chipmxxxさん» chipmxxxさま、うれしいお言葉ありがとうございます…（ ; ; ）♡黄さんの略奪愛、構想が溢れてきます…！笑 ぜひそのうち書きたいです♡ (2022年4月4日 9時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - 完結おめでとうごぞいます！！大好きなお話でした💗惚れるな危険も楽しみにしていますね！ (2022年4月3日 20時) (レス) @page43 id: fad7eeb188 (このIDを非表示/違反報告)
chipmxxx(プロフ) - 最高の作品でした！こういうお話大好きです(笑)良かったらめめとひーくんで、めめの彼女にひーくんが一目惚れしてどうにか略奪出来ないかって頑張るお話読んでみたいです！！！ (2022年4月3日 11時) (レス) @page43 id: 1d97c6ec44 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - なかさん» なかさま初めまして！ありがとうございます…（ ; ; ）想像できるようにうまく書けているのか不安だったので、そう言っていただけて嬉しいです…！とっても励みになります（ ; ; ）完結までどうぞよろしくお願いします！ (2021年10月23日 9時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤野
| 作成日時：2021年10月4日 2時
