25:嫉妬 ページ25
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頬を赤く染めたAに「少し酔っちゃったから先にシャワー使って」と言われるがまま、バスルームに押し込まれた。
頭上から勢いよく降ってくるシャワーを浴びながら、これは夢じゃないかと両手でパチンと頬を叩く。
しっかりと痛みは感じるのに、それでもふわふわと気持ちは浮ついたまま。
ワインをふたりで空けたせい？
それともAとこんな時間を過ごせるなんて予想もしてなかったから？
…いや、どう考えても後者だろ。
拒まれると思ったキス。
唇を合わせた瞬間、あ、もう戻れないと確信した。
ずっと探し求めていたものに出会ってしまったような、
そんな感覚だった。
ぴたりと吸いつくような唇
すっぽりと腕の中に収まる身体
触れ合ったところから溶けて交わる体温
…運命の女性はこの人だ、と思った。
「運命じゃなかったってことじゃん」と笑った佐久間さんは、今頃何をしてるんだろう。
出張の一日目を終えて、手応えを感じているだろうか。
俺がいなくたって何も困らないだろうな。
ねえ佐久間さん、俺はあなたの奥さんと、運命で繋がっているのかもしれないよ。
それじゃあ佐久間さんと彼女を繋いでいるものは何なの？
罪悪感と、少しの優越感。
何をしたって敵わない上司に、やっと勝てたような感覚。
それが俺の行動をさらに加速させた。
一緒に過ごせば過ごすほど愛おしくなる彼女。
「二日間で一生分の気持ちを伝える」。
それが俺の精一杯できること。
視線、言葉、唇、その他俺の全部を使ってAを愛そう。
そう決めたら一刻も早く彼女に触れたくなって「…うっし、」と小さく意気込んでシャワーを止めた。
ドライヤーの時間も惜しくて、タオルでわしゃわしゃと濡れた髪を拭きながらAが待っているであろうリビングへ向かう。
「…A？」
リビングに人気はなく、名前を呼んでも返事がない。
どこに行ったんだ？
リビングの隣、おそらく寝室であろう部屋の扉が少し開いているのに気付く。
隙間から覗いてみると、間接照明だけがついた淡いオレンジ色の部屋の中で、こちらに背を向けるようにしてベッドに腰掛けているAの姿。
…ねえ、もしかして誘ってる？
そっと扉を開き、
ベッドに近づきながら彼女の名前を呼ぶ。
「A」
けれどそれと同時にAは背を向けたまま
「大好きだよ、さっくん」
と言った。
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藤野(プロフ) - まままさん» まままさま、こちらも読んでくださっていたなんて嬉しいです！♡これからは「惚れるな危険」も更新していきますので、どうぞよろしくお願いします〜！ (2022年4月4日 9時) (
レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - chipmxxxさん» chipmxxxさま、うれしいお言葉ありがとうございます…（ ; ; ）♡黄さんの略奪愛、構想が溢れてきます…！笑 ぜひそのうち書きたいです♡ (2022年4月4日 9時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - 完結おめでとうごぞいます！！大好きなお話でした💗惚れるな危険も楽しみにしていますね！ (2022年4月3日 20時) (レス) @page43 id: fad7eeb188 (このIDを非表示/違反報告)
chipmxxx(プロフ) - 最高の作品でした！こういうお話大好きです(笑)良かったらめめとひーくんで、めめの彼女にひーくんが一目惚れしてどうにか略奪出来ないかって頑張るお話読んでみたいです！！！ (2022年4月3日 11時) (レス) @page43 id: 1d97c6ec44 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - なかさん» なかさま初めまして！ありがとうございます…（ ; ; ）想像できるようにうまく書けているのか不安だったので、そう言っていただけて嬉しいです…！とっても励みになります（ ; ; ）完結までどうぞよろしくお願いします！ (2021年10月23日 9時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤野
| 作成日時：2021年10月4日 2時
