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テーブルの上に並ぶお酒の缶と、おつまみ達。





トイレに立った康二が戻ってきたと思ったら
わたしの隣に当たり前のように腰を下ろして、

…その距離が恋人同士だった時みたいに近くて。






康二を家に入れた瞬間から襲う謎の罪悪感が
グワン、と強くなる。





もうシラフでなんかいられない。





もっと酔わなきゃ、と
アルコール度数7%の酎ハイで酔いを加速させる。








「なあ、A」






康二が少し動けば、嗅ぎ慣れない甘い香水の匂いが
ふわりと立ち昇る。






「なに?」

「…ほんまに恋人おらへんの?」

「うん」

「好きなやつも?」

「……うん」

「ほな、もっかい付き合って。俺と」







…………え。






「え?!」

「付き合ってください」







え?!?!?!






確かに期待してたけど、家に連れ込んだけど、
そういう雰囲気だったけど、けど、けど!!!!








「待って待って、なんで?」

「なんでって、また好きになったから」

「スピード感すご」

「好きな人の部屋にいるんやで?
その子に彼氏がいないんなら、そりゃ告白するやろ」






康二の言葉に、
ガーン!と頭を殴られたような衝撃が走る。







「……ねえ、それ、男の人はみんなそうなの?」

「そうなんちゃう?」

「じゃあずっとセふれのままってことは、」

「は?」






思わず、率直な疑問が口から飛び出していた。







「男の人が都合の良い関係を続けるのって、どうして?」






康二は少しの間ジッとこちらを見て、
そして何かを悟ったように「はあ」と掌で顔を覆った。


一気に地獄みたいな空気になったけど、
そんなことも最早どうでもいい。






ただ知りたい

辰哉がなにを考えているのか






康二はうーん、と少し考える素振りをしてから
静かに口を開いた。








「身体の相性がええから、とりあえず本命ができるまでの繋ぎにしてるか………」

「うん」

「……好きやけど、関係を壊すのが怖くて一歩踏み出せないか」

「うん」

「そのどっちかやろ」

「…………へえ」







いやもうあいつは前者じゃん。







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藤野(プロフ) - エリさん» エリさま、最後まで読んでいただきありがとうございます…!そして嬉しいお言葉、恐縮です( ; ; )♡次は白さんのお話を書きたいと思っておりますので、ぜひぜひ読んでいただければ嬉しいです♡これからもよろしくお願いいたします! (9月9日 23時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
エリ(プロフ) - おつかれさまでした!本当に、素敵すぎる作品でした♡きっとこれからも何回も読み返してしまうと思います。今回のラウちゃんが可愛かったので、年上のお姉さまに必死なラウちゃん見たいです…(/ω\*)これからも応援してます♡ (9月2日 22時) (レス) @page48 id: 75cad7619e (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - ひなこさん» ひなこさまありがとうございます!なんと嬉しいお言葉…( ; ; )少しでもドキドキしていただけていたら幸いです…!次の作品も楽しんでいただけるように頑張ります!♡ (8月25日 23時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!リアコふっかのかっこいい部分とふわふわな部分具合が丁度良くて、主人公もとても可愛かったです♡何気ない日常でのプロポーズも本当に素敵でした!次回の作品も楽しみにしてます♩ (8月24日 23時) (レス) @page48 id: 3d8e593499 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - lncjさん» いつもコメント嬉しいです( ; ; )♡ありがとうございます!完結までお待たせしてしまったのに、最後まで読んでいただき本当に感謝です…。次の作品も、また読んでいただけたらとってもとっても嬉しいです( ; ; ) (8月23日 13時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤野 | 作成日時:2022年3月4日 17時

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