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雑誌コーナーの背後の棚を見て
「あ、」と辰哉が声を上げる。
視線の先にはコ ンドームの箱たち。
「まだあったっけ？」
「……えー分かんない」
「買っとくかあ」
「んー」
『幸福の0.01ミリ』とパッケージに描かれた15枚入りのそれを
彼はパッと二箱手に取る。
「え？」
「どした？」
「ふたつも買うの？」
「おう、どうせ使うじゃん。
Aちゃんがいつも一回じゃ足りないから〜ぁイタッ！！」
おちゃらけた辰哉の肩をど突いたわたしは、そのまま飲み物のコーナーに向かいミネラルウォーターを取り出す。
「あ、待って待って」と隣からすかさず手が伸びてきて
せっかく手に取ったそれを陳列棚に戻された。
「ねえなんなのー」
「俺も飲みたいからデカいの買う」
「あそういうことね」
「酒は？」
「ビール買おっかな」
「おっけー。俺も！」
辰哉は近くに重ねてあったレジカゴをサッと取って、さっきまで手に持っていたものたちと一緒にビール缶をゴロゴロと放り込んだ。
お酒のコーナーに並んでいる日本酒の小瓶を見つけて、
さっきまでの飲み会を思い出す。
「ねえねえ、たつ」
「んー？」
「ラウくんかわいかったよね、今日」
「ラウール？なんで？」
今年の新入社員のラウールは、
まだお肌もピッチピチで目もキラキラ輝いてて
ネクタイもしっかり締めてて本当にかわいい。
ゆるゆると首元緩めてスーツを着こなしてる辰哉と大違い。
「日本酒飲むの初めてだったんだって」
「へえー」
「一口飲むたびに顔をキュッてするのがかわいかったな〜」
『Aさんに注いでもらうと美味しく感じます！』とか言ってくれるもんだから、アラサーは調子に乗ってしまう。
なんとなく他の人より懐いてくれてる気もして
余計にかわいく思える。
「ラウくんに『今度美味しい居酒屋連れてってください』って言われたの。若い子ってどんなところがいいんだろうね」
「んー」
聞いてるのか聞いてないのか、おつまみをカゴに投げ入れる辰哉は普段より猫背がすごい。
「日本酒の美味しいお店リサーチしとかなきゃ」と言うと
眉をひそめた辰哉が振り向いた。
「え、それあいつと２人で行くの？」
「分かんないけど。でもわたしだけに言ってくれてたよ」
「やーめとけって。歳離れすぎ」
「飲むだけならいいじゃーん」
「だめーアウトー」
そういいながら陳列棚の間を縫っていく後ろ姿。
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藤野(プロフ) - エリさん» エリさま、最後まで読んでいただきありがとうございます…！そして嬉しいお言葉、恐縮です（ ; ; ）♡次は白さんのお話を書きたいと思っておりますので、ぜひぜひ読んでいただければ嬉しいです♡これからもよろしくお願いいたします！ (9月9日 23時) (
レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
エリ(プロフ) - おつかれさまでした！本当に、素敵すぎる作品でした♡きっとこれからも何回も読み返してしまうと思います。今回のラウちゃんが可愛かったので、年上のお姉さまに必死なラウちゃん見たいです…(/ω＼*)これからも応援してます♡ (9月2日 22時) (レス) @page48 id: 75cad7619e (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - ひなこさん» ひなこさまありがとうございます！なんと嬉しいお言葉…（ ; ; ）少しでもドキドキしていただけていたら幸いです…！次の作品も楽しんでいただけるように頑張ります！♡ (8月25日 23時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！リアコふっかのかっこいい部分とふわふわな部分具合が丁度良くて、主人公もとても可愛かったです♡何気ない日常でのプロポーズも本当に素敵でした！次回の作品も楽しみにしてます♩ (8月24日 23時) (レス) @page48 id: 3d8e593499 (このIDを非表示/違反報告)
藤野(プロフ) - lncjさん» いつもコメント嬉しいです（ ; ; ）♡ありがとうございます！完結までお待たせしてしまったのに、最後まで読んでいただき本当に感謝です…。次の作品も、また読んでいただけたらとってもとっても嬉しいです（ ; ; ） (8月23日 13時) (レス) id: 598697b442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤野
| 作成日時：2022年3月4日 17時
