32話 ページ34
『あれ?居ない?』
ラボもクロムくんの家も誰も居なくて
ゲン
「村の方騒がしくない?」
『ほんとだそっちいってみよっか』
ゲン
「聞いてもいい?」
『ん?』
ゲン
「なんのためにAちゃんは戦ってるの?」
『恋人との時間のためかな?私短命なのよねだから早く処理して少しでも長く一緒にいたい』
ゲン
「千空ちゃんと一緒にいるのは?」
『彼のお父さんのお願いだったんだ
短命な私に少しでも生きて欲しいから息子の千空くんを紹介してくれたの
お医者さんでもないけど彼は科学者として私をサポートしてくれたの。』
ゲン
「短命ってなんでか聞いてもいい?」
『手を貸して。』
ゲン
「うん、え!?ちょっ!!」
胸に手を押し当てる
『心臓の音する?』
ゲン
「しないね、まさか臓器逆の..?」
『でも、100まで生きた前例があるからね』
ゲン
「1人だけね…」
『そんな顔しなぁーい!受け入れてんだから!』
ゲン
「いつも起きる時ホッとしてる癖に」
『うわ。見てたんだ…』
ゲン
「ともかく、女の子なんだから確かめるた目だけとはいえ自分で胸に手を持ってかないの!!」
『はーい』
呑気に話しながら村に行くとボロボロのクロムくんが見えた
『クロムくん!!!!』
ゲン
「あれ何やってるんだろ?」
『すいかちゃんの仮面?』
ゲン
「先に行くねゆっくりおいでAちゃん。」
『OK!』
見られてたとは思わなかった
もう心の奥にしまってはいたけど頭の隅っこの方で起きる度に少しほっとしてしまう
憶測だけどもうあの子はここに居ないし、早くあの子の元へ行きたいけど
きょーくんと幸せになりたいって気持ちもあって
『こんな優柔不断でごめんね…リリアン』
そのつぶやきは勝者を知らせる審判らしき声と歓声にかき消された
「勝者クロム!!!!!!!!!」
橋を急いで渡ると階段の上に見慣れた顔があったコハクちゃんよりもリリアンの面影がある女の子と目が合った
『リリアン…?』
スイカちゃんに聞いた村の名前も、リリアンにそっくりな二人
ああ、彼女はやっぱりもう…もう…
コハク
「Aどうしたのだ?」
『ううんなんでもないよ!先に荷物置いてくるね』
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作者名:ある | 作成日時:2021年2月6日 5時