101話眠い日 ページ4
目を開けると腕の中で珍しくすやすや寝るA。
今日出かけるらしいので起こして
そのまま俺も起きてしまおうと思いとんとんと叩く
黛
「起きて…A」
『もう少し寝たい…』
黛
「だめ。甲斐田くんたちとの待ち合わせ場所に間に合わないよ…?」
『…そうだけど…もう少し寝たい』
黛
「…そっか。じゃあここまま寝ようか」
『ん…ありがと…』
すぐまた寝息が聞こえてきて疲れてたのかと思ったが、この間まで酷い貧血で隠れていたけど毎年一際この時期はもっと調子が悪そうだった。
もしかしたら何か弦月くんなら知ってるかもと思い
Aのスマホを俺の指紋で開けて
弦月くんのトーク画面を開いた
[弦月くん]
[黛さん?ですかね?]
[そう。転さんの命日近くなってたりする?]
[一応来週ですねそれがどうしたんですか?]
[睡眠浅いみたいでさ、今日少し遅れるかも]
[なるほど。わかりました伝えておきます]
真ん中の2文だけ消去してスマホを閉じた
長い時間一緒にいたから1番の理解者だと思いたいけれど
同じ人間でもないし、
俺が知らないAも
Aが知らない俺もいるわけだし、
あれから自由になったAを無理に縛りたくないし、
黛
「俺の元に無事に帰ってくれればそれでいいよ
好きだよ」
弱々しく抱きしめる彼はどこか寂しげだった
[Aも黛くんも体調を崩しやすいから、お互いの友達に連絡を取れるように指紋を登録してるといいな]
745人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ある | 作成日時:2021年11月13日 17時