い ページ38
ここしばらく、俺の心が満たされることはなくてどこか空っぽに感じることが多くなった
三枝
「ま…まゆ…まゆ!!!!」
明那が俺の事を必死な顔で呼んでいた
黛
「どうしたの明那」
不破
「ここ最近ずーっとぼーっとしてるよねまゆ」
黛
「そうかもね」
三枝
「もしや…恋煩い!?」
不破
「まじぃ!?」
黛
「ただ単に心が空っぽだって感じるだけで恋煩いでは無いな」
三枝
「お腹すいてるとか!?」
黛
「なわけないでしょ…Aじゃあるまいし…」
不破
「Aって…誰?」
黛
「…ほんとだ…誰だろうAって」
『灰くん…』
どこかで知ってる声で名前を呼ばれるが当たりを見回しても誰も居なかった。
黛
「…探さなきゃ」
なにかに引っ張られるようにエレベーターの方へ足が動く
不破
「まゆ!?」
三枝
「まゆゆ!?」
エレベーターホールのところで弦月くんが座っていて
弦月
「あれ?黛さん下に行くんですか?」
黛
「うん。今行こうかなって思ってる」
弦月
「今妹が荷物を届けに来てくれたんですけど…届いてるか受付に聞いていただいて欲しいんです。」
黛
「まあ…いいよついでだし行く。弦月くんも行く?」
弦月
「生憎今手が離せなくて…面倒事を頼んでしまってすみません…」
黛
「気にしなくていいよ。じゃあ行ってくる」
エレベーターで降りて受付に行こうとしたところで
『忘れ物を届けに来た弦月の妹なんですが、兄さんを呼んでいただけますか?』
初めて聞く声なはずなのにその声は耳に残って
でも不快ではなくてずっと聞いていたい好きな声
黛
「あの…」
『はい!』
黛
「俺弦月くんの一応先輩に当たるから良かったらお兄さんのとこに連れてくよ」
そう言って彼女の目を見た瞬間カチリと何かが溢れ出した
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作者名:ある | 作成日時:2021年8月18日 22時