[157] 星祭りの御子・・・ニノside ページ15
それは静かに
月からふわりと舞い降りたかのように
そっと白い装束の少年が現れた。
わあああぁ…
観客の大歓声が波のように沸いては引く中で
少年…御子は凛と揺るがずに立っている。
真っすぐな茶色の髪に、黒目がちな眼。
「あれが、聖痕の御子…」
白い薄衣は柔らかく風にあおられ
所々に飾られた小さな鏡が照明を反射して
空の星のようにきらきらと輝いている。
しゃらん、と演奏が再び始まると
御子はその細い腕を天に伸ばした。
腕には水晶の腕輪と、肌に銀で描かれた紋様。
それは白い装束の飾りへと繋がり
ゆるりと曲線を描いて裾へと広がっている。
ととん、と つま先でステージを叩くと
それを合図に流れるように舞い始めた。
翻る青銀糸の、帯。
( 綺麗だ… )
御子は男だと聞いてはいたが
その中性的な顔と少年期の華奢な体つき
また、その衣装のせいで少女のようにも見えた。
清らかな、神々しいまでの雰囲気に
多くの観客同様、どれだけ魅入っていただろうか
しばらくして御子はステージの真ん中で立ち止まると
観客に背中を向け、シフォンのストールをするりと落とした。
すると露わになる、左肩から背中に広がる赤い聖痕。
それはまるで、レースのような、蓮の花のような−−
御子がゆるやかに腕を絡ませ、背中に手をかざすと
その手にはめられた特殊な指輪に反応して
ふわん、と聖なるアザがホタルのように青く発光した。
それこそが、聖痕たる紛れも無い証。
うわああああぁぁ…
再び歓声があがり、そして皆、息を飲んだ。
神秘的なその光景に、誰もが心酔していた。
俺も。
花に惹かれる蝶のように
否応なく惹きつけられるモノを感じた。
…だけど同時に俺は
[158] 違い・・・ニノside→←[156] 屋根の上で・・・ニノside
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルーカ(プロフ) - お久しぶりです。作者です。忙しくてなかなか新章をUPできていませんが、今週金曜日スタートを予定しています。お待たせしてすみませんがよろしくお願いしますm(_ _)m ちなみに今夜徹夜の勢いです。ふふふふ…(壊) (2012年5月9日 23時) (
レス) id: 060b5e321a (このIDを非表示/違反報告)
ルーカ(プロフ) - 智香さん» いきなり連れ去られて生き方を強制されたら…それまでの自分を否定されたら、と思うと、そうとう精神的に追い詰められますよね。だからそう、相葉ちゃんはそれでも頑張ってるほうなんです。今はMAXにツライ時期ですが(^^;) 8章もどうぞよろしくお願いします♪ (2012年4月26日 9時) (レス) id: 060b5e321a (このIDを非表示/違反報告)
ルーカ(プロフ) - くるとんさん» いえいえ、私もツライ時ってそんな風に心を沈ませて乗り切ることがあるので（こんな重症じゃないですが・汗）、自然と思い付いただけなんですよ(^^;ゞ 雅紀ほど深海に沈むとなかなか浮上できないでしょうね。8章はニノに頑張ってもらいましょう☆ (2012年4月26日 9時) (レス) id: 060b5e321a (このIDを非表示/違反報告)
智香(プロフ) - 奥が深いですね。。。そして、すごく切ない…相葉ちゃん、よく頑張ってるよ(ノд｀)次章も楽しみにしてます♪♪ (2012年4月26日 0時) (レス) id: c53450c73a (このIDを非表示/違反報告)
ルーカ(プロフ) - 瑠衣*さん» うっ、それ以上明かすと命に危険が…(嘘)。山もイイですよね。本当は7章で合流するはずだったんですが…次章に持ち越し。皆さんすみません(^^;)絡み出すのももうすぐですよ〜。 (2012年4月22日 2時) (レス) id: 060b5e321a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルーカ | 作成日時：2012年3月12日 22時
