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渡辺side。
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強引に理由をつけてAを家に連れ込んだあの日。
「俺まだ納得いってないんだよね…茉唯とふっかが付き合ってるって。」
蓮「っ…」
ソファに座っていたAを後ろから抱き締めて、顔を背けようとするから顎を掬って無理やり視線をこちらに向けさせた。
「このまま流されろよ…」
ふっかと付き合ってるとか、悪いけどそんなんで簡単に身引けたらこっちだって苦労しねぇんだわ。
Aが何か言おうとしたけど、何も聞きたくなくて、吐息ごと艶やかな唇を食べた。
蓮「ん、しょ…っ」
うるさい。聞かない。
女なんてみんな一緒だったのに。
可愛い奴もスタイルいい奴も体の相性が合う奴も山ほど居たのに。
「…おまえしかいらない」
責任、取れよ。
人を好きになんのってこんな苦しいの？
俺もうやなんだけど。
力の抜けていくAをソファに押し倒す。
「ほんとはふっかのこと好きじゃないくせに…」
蓮「、好きやもん。」
「でもそれって俺に対する好きと一緒でしょ？」
蓮「それはっ……」
「じゃあ俺でもいいじゃん」
蓮「よくな、い…」
耳たぶを齧って、鎖骨に唇を寄せて。
Aの弱いとこぐらい俺だって知ってる。
なのにおまえは…
蓮「翔太くん。…戻られへんくなるから。」
こうやって線を引く。
どれだけ知りたいと願っても、おまえの全部を知ることは絶対許してくれない。
「…抱かせてよ。」
蓮「…だめ。」
「はっ…ほんとだるい。おまえ。」
蓮「……でも翔太くんは抱かへんやろ？私のこと」
それは…おまえがやだって言うから……
蓮「私が力じゃ敵わへんことくらい、分かってるのに」
「…力に任せて無理矢理抱くとか、おまえのこと襲ったクソ男と変わんないだろ。」
蓮「ふふ 翔太くんのそういうとこが大好き」
「ズルおまえ………」
力が抜けて、見下ろしてたAの上にそのまま覆い被さる。
蓮「んわぁ！重！」
「うるさい…」
きゃははって俺の下で笑うAはさながら子ども。
ムードの欠片もない。
「俺のこと好きになんないの…？」
蓮「もう充分大好きやってば」
「だから…」
蓮「…ごめんね」
俺の背中に回った腕。
顔は見えないけど、多分泣きそうになってる。
別に泣かせたいわけじゃないし。
…てか泣きたいのこっちだし。
「俺…親友くらいにはなってんの？」
蓮「！…勿論。相性バッチリの大親友。」
「…なら、良い。」
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作者名：あむ
| 作成日時：2024年2月18日 13時
