きみしかいない 5 (ページ6)

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夢が醒めるときページ6

深澤side。

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きっかけは、なんだったっけ。

「メンバーを増やす…」

こいつらなんだけど、って1人1セット配られた加入メンバー4人の資料。
向井康二、目黒蓮、村上真都ラウール…で、4人目に綴じられてたのが蓮野Aだった。

どこか他人事だった紅一点が、前触れもなく身近にやって来て流石に戸惑ったよ。最初はね。
紅一点が居ないグループだってあるのに、その違いはなんなんだろうってずっと考えてた。
男ばっかりのとこに女がいるっていう話題性がないと、俺らは見向きもされないってこと？なんて、卑屈になった時もある。

Hey!Say!JUMPも、SexyZoneも、後輩グループも、紅一点がいるグループがみんなそうだって思ってるわけじゃない。
ただ、Snow Manには必要ないと思ってたから。
紅一点も、新メンバーも。
6人でやれるって思ってたから。
だけどメンバーの増員は、Snow Manを守れるラストチャンスだったし、今となっては10人で良かったって心の底から思うけど。

紅一点だから話題になるんじゃない。
蓮野Aだから話題になる。
たとえAが男でも、きっとみんなの視線を攫ってただろーね。
Aが居たから刺激を貰って、みんなが和んで、柄にもなく…負けたくないなんて思っちゃって。

そうだ。初めはただ、守んなきゃって。そう思ってたんだ。
Snow Manの10人目はAしかいないって。

それがいつだったか…震えながら俺に唇を向けたあの子がいじらしくて。可愛くて可愛くて仕方なかった。
今では俺のいじられトークテーマの十八番になってる、高校時代の武勇伝があるみたいに、好意は向けられ慣れてたはずなのに…
Aが俺に向ける好意はちっちゃくてキラキラした宝物みたいな。すぐに見失っちゃいそうで、ほんとに大事にしなきゃもう二度と手に入らないみたいな。そんな感じだった。

初めてだったんだよね。
喉から手が出るほど欲しいと思ったの。
でも俺ってカッコつけだから。
がっついたりなりふり構わず追いかけたりすんのなんてダサいって思っちゃうような男なのよ。

ゆっくり、じっくり。
ドロリとした重たいなにかがAにまとわりついて離れなくなればいい。
俺なしじゃ物足りなくなればいい。
だって俺は、Aがいなきゃダメなんだから。