きみしかいない 5 (ページ19)

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奪い合いページ19

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阿「それ絶対康二拗ねない？」

「んー…かも」

鏡越しにご愁傷様って感じで阿部ちゃんが笑う。
もう私のヘアセットは完了してると思ってる康二くんは、さっきたっぷり褒めてくれたけど…
実はまだ終わりじゃなくて、阿部ちゃんと一緒に並んでセットして貰ってる。

＊「可愛い〜」

「やったあ！お墨付き貰った」

康二くんに可愛いお願いをされた通り、今日はしっかり前髪を作ってふわふわに巻いて貰った髪の毛。
でもそれだけじゃやっぱりつまんないやん？
ファンの子達もコーデ組んだり美容院行ったりいっぱい準備してくれてるわけやし…
この日の為にコンディション整えて来てくれてる分、私も1日1日最大限に可愛い自分を見せたくて…っていう話をしたら、それは阿部ちゃんも同じ考えやったみたい。

阿「だから俺もこれしてるしね」

「今回は青？」

阿「悪くないでしょ？」

「うん。可愛い！」

にこって首を傾けて笑う阿部ちゃんの髪には青色メッシュ。
ヘアメイクさんが手際良くセットしてくれる私の髪にはラベンダーカラーのエクステが付いている。取り外しできるやつ。

阿「またさあ…その色似合ってるから余計にだね」

「なんでふっかさんの色なん！！とか言うかな？」

阿「めっちゃ想像つく」

2人でクスクス笑ってる場合じゃないんやろうけど、今ドラマの撮影期間で髪色が暗めやから…紫とか青が映えるかなって思ったんやもん。
ほんと仲良いですね〜ってメイクさんにも笑われた。

＊「明日はオレンジにしましょうか？」

「ううん、白で。」

阿「あはっあくまでも髪色に似合うか重視なんだ」

そりゃあね？
常にファンの子たちを楽しませられるアイドルで居たいやん？

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案の定。

向「なにそれ！！」

「…ハーフツイン？」

毛束を摘んでとぼけてみる。

向「んぅ…可愛いけどそっちじゃない！」

深「俺の色じゃん」

わざとらしく口笛まで吹いておもっきり康二くんを煽るふっかさん。そういうことするから拗ねるんやから…

深「そっかそっかあ、やっぱAちゃん俺に未練が…」

向「そもそも付き合ってなかったやん！」

「暑い…」

ただでさえ重量のある派手派手なコートを着せて貰ってるのに、その状態で抱きつかれたら暑い上に身動きも取りにくい。

深「こうなったら意地でも振り向かせたくなっちゃうよね〜」

向「やめて！このリアコ！」

岩「そんな罵倒聞いたことないんだけど」

んふふって照くんが笑う。