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ページ16

向井side。


.


琥珀色の瞳が揺れる。
綺麗やな…単純にそう思った。
壊したくない。汚したくない。
…俺が台無しにしてもうたらどうしよう。



「俺…Aに触れるのが怖いねん…」



そう口にした瞬間、明らかに傷ついた表情をしたA。あ、違う。そうじゃなくて…



「ごめ…また俺、Aのこと……」



なんで何回も間違えてしまうんやろう。
傷つけたいわけとちゃうのに。
やっと追いついたのに。
こんなんやったら、また俺から逃げていく?



蓮「ごめん!今の無し!」
「へ?」



そんな俺の不安をAは簡単に吹き飛ばす。



蓮「康二くんの話最後まで聞かんと勝手に傷ついてごめん!」

「いや…えっと、」



あまりの勢いにしどろもどろになる。
そもそもAが謝ることちゃうのに…
するとぱっちり交わっとった視線が段々逸らされて。



蓮「私…思ってたより康ちゃんのこと大好きみたいで…康ちゃんに嫌われたくなくて…ちょっとしたことにもいちいちウジウジしちゃうだけやねん……」



モジモジしながらそんな可愛いこと言われるなんて思ってなくて。



「ずるいわ…」

蓮「っ、」



Aの小さな体を抱き寄せた。



「俺の我慢どうしてくれんねん…」

蓮「我慢…?」

「知らん男に襲われて怖い思いしたから…俺も一応同じ男やし、怖がらせてまうかもしらんって…やけどAに触ったら絶対歯止め効かんくなってまうって……」

蓮「それで怖いって言うたん?」



もうこれ以上辛い思いも怖い思いもして欲しくないねん。
やのに時々、どうしようもなく感情が溢れる時があって。
そんな俺を見透かすみたいに、



蓮「康ちゃんにやったら…何されてもいい。
傷つけられても、めちゃくちゃにされても…康ちゃんやったら怖くないよ?」

「っ、」



正真正銘のアホや。Aは。
自分を大事にすんのが下手くそやから、だから俺が誰よりも大事にしたい。



「Aが傷つくってことは、俺が傷つくってことやで?…それでもええの?」



我ながらずるい聞き方やとは思う。
やけどこうでも言わな、Aには伝わらへんから。



蓮「康ちゃんが傷つくのは…あかんけど…でも私なんかのことで傷つかんでも……」

「傷つくよ。言うたやろ?世界で一番、大事やって…」



こんなクサい台詞よお言わんって思ってたのに。
惜しげもなく言えてまうんやから、Aには敵わんわ。

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設定タグ:SnowMan , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あむ | 作成日時:2024年2月18日 13時

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