尻尾巻かずに引き返せ。 ページ43
菊池side。
.
向「あ！風磨やん！」
「…げ。」
向「なんやその反応！」
よく行く焼肉屋でたまたま向井に会って。
ふと、すのちゃんと翔太の訳アリげな目配せを思い出した。
「なあ、今度ライブ行っていい？」
向「え！？おん…全然ええけど…」
風磨が俺にそんなん言うなんて珍しー…って目をぱちくりさせてる。まあ確かに…仲良いって言ったらやっぱ翔太とかだし。でも気になっちゃったんだよなー…
「おまえさ、すのちゃんとなんかあった？」
向「えっ…」
テレビで見るまんま。
隠し事の出来ない素直な奴。
ほんと俺なんかよりよっぽどドッキリかけられんの向いてるよ。天職だ天職。
向「別に…」
「なんもないとか言っちゃう？
悪いけどそれ通用しないよ？
なんかあったようにしか見えねーもん。」
どう切り抜けようか考えてたっぽいけど、少しして肩を落として諦めてた。
気になっちゃったら聞くまで気済まないんだよね。
何かを後回しにすんのとかめっちゃヤだし。
向「わかったってぇ…話すけど一旦ここじゃ無理やから…」
「じゃあ俺送ったげるよ。車だから」
向「ええの？」
「貸しイチな。」
向「こわ！風磨に借り作りたくないわぁ…」
渋々俺に着いてきた向井を車に放り込んで、なんか獲物捕獲した気分だわ。
で、送りがてら聞いたとこによると…
「まあ要は失恋ってこと？」
向「うっ…そうやけどそんなハッキリ言わんでもいいやん…」
「いやだってハッキリ言おうがぼかして言おうが失恋は失恋じゃん。ふっかと付き合ってるって言ってたんでしょ？」
横目で見た向井は力無く頷いた。
…ったく、そんなショゲんだったら意地でも離すなよ。
誰が見たって一番仲良かったくせに。
何がきっかけですのちゃんと距離が出来たのかは端折って説明されたけど、向井がビビってるってことだけは分かった。
向「ふっかさんのほうがAのこと幸せにできるんは事実やし…」
「なんか…呆れるわ。」
向「え？」
「誰かが幸せにしてあげないと幸せになれないの？あの子って。」
俺にはそうは見えないんだけど。
そんなに囲わなきゃダメ？
うちにもきぃが居るし心配になる気持ちも分かるけどさ。
「自分の幸せくらい自分で決めたいんじゃないの？」
知らんけど。
ハッとした向井の目つきが、さっきまでのウジウジとは違う気がする。俺こっちのおまえ嫌いじゃないよ。
言わんけど。
今ならまだ間に合うんじゃね？
それも言わんけど。
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あむ(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます！少しずつお話進んで来てるのでお楽しみ頂けたら幸いです☻ (1月9日 12時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
さら - 更新たのしみにしてます！ (1月5日 0時) (レス) @page25 id: f3e4c7f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - あたりんさん» コメント気付かずお返事遅くなってしまいすみません！感想ありがとうございます☻不定期更新ですがお付き合い頂けましたら嬉しいです！ (11月5日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - とても面白いです！更新たのしみにしてます！ (10月23日 11時) (レス) @page7 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2023年9月28日 1時
