変 ページ24
岩本side。
.
ラ「変。」
「ん？」
いよいよツアーの初日を明日に控えたゲネプロ終わり。
うちの末っ子は脈絡も無く呟いた。
ラ「ねえ、岩本くんも変だと思わない？」
「なにを？」
ラ「Aちゃん。」
「…」
ラウールが怪訝そうに見つめる先にはふっかと談笑するA。
去年のアリーナツアー前、事故で生死を彷徨って本当だったら居るはずのなかった初日。
結局、Aが常人じゃないおかげで10人揃ってステージに立てたわけだけど。
Aは自分が居なくても成り立つ事に酷く怯えているから…大事にしなかったとはいえ、警察沙汰のあんなことがあったけど、今回のツアーも予定通り10人で始まる。
休息を取っていた数日間のリスケした仕事のシワ寄せが来てたはずなのに、Aは平気な顔をしている。
不自然なくらい。
ラ「絶対疲れてるはずなんだよ…Aちゃんのことだもん、寝てないよ。」
怪訝そうにひそめていた眉が下がり出す。
…心配だよな。
鋭くて、頭の回転が早くて、大人びているように見えても。まだ19歳だ。
大好きなお姉ちゃんが酷い目に遭って、怖かっただろうに「一番怖かったのはAちゃんだから。」と背筋を伸ばして凛とした声で言った。真っ直ぐAを見据えて、決して目を背けずに。
このすくすく育った大きな身体は見せかけじゃなくて、ちゃんと受け止める力をラウールは持ってる。
ラ「…あと最近やたらとふっかさんと距離近い」
「あはっ 拗ねてんの？」
ラ「いや、拗ねてはないよ？
俺もAちゃんと話したいのになーって思ってはいるけど。」
それを世間では拗ねてるって言うんだよ、とは言わないでおいた。落ち着いた声で取り繕ってるのが可愛かったから。無自覚なんだろうなー妬いてるの。
ラ「…あの2人が近くに居ないの、やっぱ変だね」
「…それは俺もそう思うよ」
ラウールの言う「あの2人」がどの2人かなんて、わざわざ名前を出さずとも簡単に伝わる程に一緒に居るのが当たり前だった。Aと康二は。
あの日以来、康二はAの側にいる資格なんて無いとでも言うように距離を取ってる。
AはAで、自分のせいで康二を苦しませたくないって一歩引いてて…
お互いがお互いのことを思い合っているのにぎこちない2人にモヤモヤする。
誰も入る隙がなかったから抑えられてた気持ちが、沸々と湧き上がって来てやなんだよ。
ラ「早く元に戻らないかな…」
「ね。」
ほんと、勘弁してよ。
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あむ(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます！少しずつお話進んで来てるのでお楽しみ頂けたら幸いです☻ (1月9日 12時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
さら - 更新たのしみにしてます！ (1月5日 0時) (レス) @page25 id: f3e4c7f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - あたりんさん» コメント気付かずお返事遅くなってしまいすみません！感想ありがとうございます☻不定期更新ですがお付き合い頂けましたら嬉しいです！ (11月5日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - とても面白いです！更新たのしみにしてます！ (10月23日 11時) (レス) @page7 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2023年9月28日 1時
