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向井side。
.
この子がAに危害を加えたってことは確かで。
阿部ちゃんが警察の人に連絡してくれてるのが後ろから聞こえてくる。
この子にもそのやりとりは聞こえてるやろうけど、抵抗する気配もなくて、もうどうでもええみたいや。
「俺の為って…」
＊「こんなに蓮野さんのこと大切に想ってるのに、あの人は向井さんの気持ちを弄んでる。
もうこれ以上、向井さんに報われない思いをして欲しくない。傷ついて欲しくないんです…可哀想です。」
…報われへんことなんか、とっくに気付いとった。
やのに、他人から改めて言われるのがこんなにキツいと思わんかった。
俺って、可哀想なん？
＊「蓮野さんが居なかったら、向井さんがこんなに苦しむ必要は無かったはずです…！
蓮野さんのせいで向井さんは幸せになれない！
だからっ…」
阿「それはあんたのエゴでしょ。」
言葉を遮ったのは阿部ちゃんの低い声やった。
いつも丁寧で分かりやすい言葉を使う阿部ちゃんの突き放すみたいな声。
阿「他人の幸せ勝手に決めつけて踏み荒らしてる自覚ある？」
佐野「向井さん、」
のっちが俺と立ち替わるようにスタッフの子の手を引いて、「こっちで話聞いとくんで」って。
＊「…地下の倉庫です。角の。」
のっちに手を引かれる彼女が俺たちに背中を向けたまま呟いた。
阿「…行こう。」
阿部ちゃんが隣を走る。
俺の背中をポンと叩いて「あんなの気にしちゃダメだよ」ってまるで自分に言い聞かせるみたいに言うた。
…でもな、やっぱり俺のせいでおかしなことになったんやと思うねん。
俺が曖昧な態度とったから…俺がAにちゃんと気持ち伝える度胸もなかったから…
誰も幸せに出来ひんかった。
誰よりも守りたいAを酷い目に遭わせてしまった。
阿「Aの居場所分かったよ、地下の…」
阿部ちゃんがみんなに連絡してくれて、一番近くにおった照にぃとふっかさんがすぐに向かってくれたけど、それでもAはボロボロやった。
怪我も、頬に残る涙の跡も、ほどけかかってボサボサになってもーてる髪も痛々しくて。
今日だけじゃない。
今までずっと、怖い思いして、傷つけられても耐えとったのに。
あんなに近くにおって気付いてあげられへんかった。
「ごめん、ごめんなA……」
こんな俺が、Aの側におる資格あるんやろうか。
また傷つけてまうかもしらん。
…Aに触れるのが、怖い。
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あむ(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます！少しずつお話進んで来てるのでお楽しみ頂けたら幸いです☻ (1月9日 12時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
さら - 更新たのしみにしてます！ (1月5日 0時) (レス) @page25 id: f3e4c7f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - あたりんさん» コメント気付かずお返事遅くなってしまいすみません！感想ありがとうございます☻不定期更新ですがお付き合い頂けましたら嬉しいです！ (11月5日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - とても面白いです！更新たのしみにしてます！ (10月23日 11時) (レス) @page7 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2023年9月28日 1時
