カジバノバカヂカラ ページ13
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＊「声出しちゃダメですよ？」
ほんとは聞きたいとこなんだけど〜なんて相変わらず軽い調子で言う素性の知れない男。
怖い。気持ち悪い。逃げ出したい。いっそのこと、消えてしまいたい。
声にならない声が涙になってボロボロ溢れ出る。
＊「そんな怯える？
あんな男所帯に紛れてるんだからどうせやることやってるでしょ？
俺もあの人達もおんなじ男ですから。そんな変わんないですよ〜」
違う…ぜんぜん違う。
ただ己の欲を満たす為だけに触れられるのがこんなに不快で悍ましいなんて、知らんかった。
私のハジメテは…丸ごと愛して貰えて泣きたくなる程あたたかいものだったから。
好き勝手に動く手も、這う唇も、嫌で嫌で仕方ない。
でもここで私がひとつ選択を間違うだけで、みんなに何をされるか分からへん。
私さえ耐えれば私の大切な人たちは守れる？
守って貰ってきた分、返さないと。
心を捨てればいいだけ。全部、諦めれば。
＊「あ、ちょっと待ってくださいね」
ふと、男が動きを止めたかと思えば、私を押さえつけたまま誰かに電話をかけ始めた。
親しげな口調で話す電話口の向こう側の声が微かに漏れ聞こえる。…高い。女の人だ。
＊「うん。はいはーい。
…お待たせしました〜もうちょい楽しんでてーだって。
お言葉にに甘えましょっか！」
「やっ、！」
＊「しー。大人しくしててってば、」
「んんっ」
手のひらで乱暴に口を押さえられて、身体への愛撫が再開される。逃げることが叶わないならせめて早く終われと歯を食いしばるしかなくて。
少ししてから、また。扉が音をたてた。
…一瞬、期待した。助かったかもって。
＊「おー、来た来た」
振り返った男越しに現れたのは、
「なんで…」
＊「お疲れ様です」
にっこり。
いつものあどけない笑顔とは違う、冷ややかなツクリモノの笑顔を浮かべたのは康二くんが助けたスタッフの女の子だった。
＊「手荒な真似してすみませんでした
お楽しみの邪魔にならないようにしますんで、お気になさらず続けてください」
「待っ、やめて…！」
＊「おっと…ちょっと興奮しちゃってる？声のボリューム考えましょっか〜」
「っぐ、」
にこやかに微笑む彼女の手には康二くんと共通の趣味だと言っていたカメラ。
男に口を塞がれて体の自由もきかない私をフレームに収めている。
その瞳に滲む憎悪の色。
…この子だ。
私にめちゃくちゃになって欲しいのは。
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あむ(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます！少しずつお話進んで来てるのでお楽しみ頂けたら幸いです☻ (1月9日 12時) (
レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
さら - 更新たのしみにしてます！ (1月5日 0時) (レス) @page25 id: f3e4c7f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - あたりんさん» コメント気付かずお返事遅くなってしまいすみません！感想ありがとうございます☻不定期更新ですがお付き合い頂けましたら嬉しいです！ (11月5日 14時) (レス) id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - とても面白いです！更新たのしみにしてます！ (10月23日 11時) (レス) @page7 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2023年9月28日 1時
